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第1章19話:マップ


(ん……すぐ近くに罠があるね)


とフィオネは気づいた。


左右の分かれ道のうち、左の通路には、紫色のマークがいくつも表示されていた。


罠である。


そのとき。


「分かれ道なんて、どっちに進んだらいいのか考えても仕方ない。(かん)で進むしかないだろ」


とエレクが言った。


彼は左の道へと足を踏み出そうとする。


フィオネは慌てて止めた。


「あ、待って。そこに罠があるわ」


エレクは肩越しに振り返りながら、怪訝(けげん)そうな顔をする。


「は? 罠なんてどこに――――」


そう言いかけたとき。


ガタッ!


床の石が沈む音がした。


「!?」


エレクの顔色が変わる。


次の瞬間。


バシュッ! バシュッ! バシュッ!


壁から複数のナイフが飛んできた。


「おわああああッ!?」


エレクは慌てて横に飛びのく。


ナイフが彼のいた場所を通過し、反対側の壁に突き刺さった。


「あ、危ねえ……」


とエレクが冷や汗を浮かべながら立ち上がった。


「エレク、大丈夫ですか!?」


とキルティアが心配そうに近づいた。


「あ、ああ……なんとか」


エレクは応じつつ、フィオネに視線を向けた。


「おい……フィオネ。なんで罠があるとわかったんだ?」


フィオネは少し考えたあと、答えた。


「私には……便利なマップスキルがあるのよ」


「マップスキル……?」


「これ」


とマップを示唆するフィオネ。


しかしエレクが首をかしげる。


キルティアはよくわからないといった顔をしている。


(あー、自分のマップは他人に見えないんだね)


とフィオネは納得した。


「ええと、マップスキルは、地図を表示するスキルなんだけどね……」


とフィオネは説明しようとする。


しかし、ふと思いついた。


(そういえば……このマップ、共有できないかしら?)


前世のゲームでは、パーティーメンバーとマップを共有する機能があった。


もしかしたら、この異世界でも同じことができるかもしれない。


(試してみよう)


フィオネは心の中で念じた。


(――――【マップ共有】。対象はエレクとキルティア)


瞬間。


「!?」


「!!?」


エレクとキルティアが同時に驚きの声を上げた。


「な、なんだ!? なんか目の前に出てきたぞ!」


「それがマップ。いま私が使ってるマップを、あなたたちにも共有したの」


「共有!? そんなこともできるんですか!?」


「うん、できるみたい」


2人は目を見開いて、視界に浮かぶマップを凝視している。


フィオネが説明を始めた。


「見方を説明するけど、まず黄色い点が私たちの現在地。そして赤い丸が魔物の位置よ」


「魔物の位置!?」


「んで、紫色のマークが罠の位置」


「わ、罠の位置……」


「んで、このマップには、次のフロアへいく階段の位置も表示されてるわ。左下の白色が階段の位置ね」


魔物の位置。


罠の位置。


次の階段の位置。


全てがわかる地図―――マップ。


あまりのチートぶりにエレクは絶句する。


(おいおいとんでもねえだろコレは!? ゴブリンキング瞬殺もだいぶイカれてるとは思ったが、ここにきて完全にぶっ壊れてきたな!?)


キルティアも気持ちは同じだった。


(このマップスキルは、いわゆる大当たりの固有魔法……信じられないほどの価値がありますね)


魔物や罠の位置がわかるだけで、道中の事故がどれだけ減らせるか


全ての冒険者にとって、喉から手が出るほど欲しい魔法だろう。


もちろんキルティアも欲しかった。


キルティアが考察を述べる。


「もしこの地図の情報が本物なら……魔物と罠を全て避けながら、階段まで辿りつくこともできそうですね」


「ええ。無駄な交戦をしないで進むことができたら、消耗も避けられるわ」


とフィオネは肯定する。


エレクが苦笑いを浮かべた。


「いや……それができたら反則すぎるだろ!?」


フィオネは言った。


「ひとまず、このマップに従って進んでもいいかしら。他にアテもないでしょ?」


「あ、ああ……そうだな。わかった」


「異論はありません」


「じゃあ、いきましょう」


3人は移動を再開する。


マップに表示された赤い点――――魔物を避けながら、慎重に歩いていく。


曲がり角を曲がる。


通路を進む。


分かれ道では、逐一マップを確認しながら進む道を選ぶ。


そして。


本当に、魔物と一切遭遇することなく――――


「あった……階段だわ」


次のフロアへの階段を発見する。


これでマップの有用性が実証された。


「本当に……魔物と戦わず階段まで来てしまいましたね」


とキルティア。


エレクは衝撃と呆れを含んだように言った。


「フィオネ……お前のスキルまじでめちゃくちゃだな!?」


フィオネは言った。


「じゃあ、このやり方で最下層まで行っちゃいましょう!」


こうして3人は、マップスキルの力を頼りに、ダンジョンの最下層を目指して進んだ。






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