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第1章2話:ゲーム魔法

屋敷の玄関扉を出たあと。


フィオネは屋敷を振り返る。


「この家とも、お別れね……」


19年も過ごした生家が、自分の帰る場所ではなくなる。


そのことにフィオネの心が打ちのめされそうになる。


しかしすぐに顔を振った。


(ううん、落ち込んでなんていられないわ。これから一人で生計を立てなければいけないのだから)


フィオネはなんとか覚悟を固めようとする。


もう実家には頼れないのだから、いつまでも下を向いていてはいけない。


すぐに切り替えないと。


そう思いながらフィオネは屋敷から目を戻し、正面を向いた。


足を一歩、踏み出す。


だが―――――そのときだった。


ズヴァンッ!!!


と、雷に打たれたかのような衝撃が全身を駆け抜ける。


「!!!!」


直後、頭の中に膨大な記憶が流れ込んできた。


それは。この世界にはないはずの記憶。


前世の記憶だった。


(思い出した……)


自分が地球で生きていたこと。


24歳のOLであり、社会人だったこと。


ゲームが好きなゲーマーだったこと。


恋人もおらず、両親もいない独り身で……


最後に交通事故で死んだこと。


気づいたら、この異世界に転生していたこと。


それらを全て思い出す。


(私は日本で生まれ育った日本人だった。そして異世界転生したんだ)


はっきりと認識する。


同時に、ある情報が脳内に流れ込んできた。


それは以下のような内容である。




◆◆◆

【ゲーム魔法】

過去にプレイした全ゲームの魔法を使用することができる。

ただし自分がゲームで使用したことがある魔法に限る。


※ゲームとはアクションゲーム、ロールプレイングゲーム、VRゲームなどのようなコンピュータゲームのことである。

◆◆◆




そうか。


ゲームって、そのゲームのことか!


だから誰にもゲーム魔法の正体がわからなかったのだ。


ゲームとは、地球に存在する【ゲーム】のことだから。


この異世界に存在しないものだから。


(私が【ゲーム魔法】を使うことができなかったのは、前世の記憶がなかったから……ということか)


フィオネは完全に納得した。







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