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第1章16話:ホブゴブリン


次の瞬間。


ガササササッ!!!


と茂みから無数の影が飛び出してきた。


緑色の肌。


少し筋肉質な肉体。


こんぼうや斧を手にしている。


ゴブリン?


いや……普通のゴブリンではない。


「ホブゴブリンだ!」


とエレクが叫んだ。


ホブゴブリン。


ゴブリンの上位種(じょういしゅ)であり、通常のゴブリンよりも一回(ひとまわ)り大きく、戦闘力も高い。


「おそらくスタンピードの魔物ですね。数は……20匹以上!?」


キルティアが素早く敵数てきすうを数えて、焦りの声を上げる。


ホブゴブリンたちがフィオネたちを取り囲んでいた。


クギャアアアア!!!


と声を上げながら一斉に襲いかかってくる。


「くそっ!」


エレクが剣を抜いた。


剣身(けんしん)に魔力をまとわせる。


「ハアアアア!!」


魔力をまとった、かまいたちのような斬撃を放つ。


魔法(まほう)剣士(けんし)らしい攻撃である。


その魔力かまいたちがホブゴブリンに迫り――――


ズバッ!!


ホブゴブリン1匹の胴体を切り裂いた。


「よし……まずは1匹!」


だがまだまだ数は多い。


キルティアも弓を構えた。


素早く矢をつがえて狙いを定める。


「シッ!」


ヒュンッ!!


風を切り裂くように矢が飛来し、ホブゴブリンの額に突き刺さる。


ホブゴブリンが倒れた。


キルティアは言った。


「数は多いですが、しょせんはホブゴブリンですね」


「ああ、いけるな」


エレクがうなずく。


そしてエレクはフィオネに向かって言った。


「おい新人! お前は援護に回って―――――」


直後エレクは絶句した。


キルティアも目を見開く。


なぜなら。


フィオネの周囲に、ホブゴブリンの大量(たいりょう)死体(したい)が転がっていたからだ。


少なくとも15体以上のホブゴブリンを、フィオネは一瞬で倒していた。


「「ええええええええええ!?」」


エレクとキルティアが同時に声を上げた。


「な、なんだよこれ!?」


「私たちが1匹倒してるあいだに……これだけの量を倒したというのですか。一人で!?」


2人は信じられないといった表情でフィオネを見つめる。


フィオネは涼しい顔で答えた。


「まあ私の固有魔法を使えば、こんなものよ」


「こんなもの……って」


エレクが唖然(あぜん)としながら思う。


(明らかに倒すのが早すぎるだろ! いったいどんな魔法を使ったというんだ、こいつは!?)


一方でフィオネは内心で改めて思っていた。


(やっぱりゲーム魔法は強いわ)


ゲーム魔法である【全能力(ぜんのうりょく)上昇(じょうしょう)】【神魔(しんま)剣術(けんじゅつ)】の二つを使えば、ホブゴブリンなど何匹いたって関係ない。


瞬殺できる。


「ふっ!」


フィオネは神魔剣術(しんまけんじゅつ)を駆使しながら、残りのホブゴブリンも全滅させた。


「よし……これで全部倒したわね。素材を回収したら、先に進みましょう」


てきぱきとフィオネは素材を回収する。


エレクとキルティアは困惑しながら、素材(そざい)回収(かいしゅう)にいそしむ。


回収(かいしゅう)作業(さぎょう)をしながらフィオネは思う。


(うーん、剣ばかりじゃなくて魔法も使っていきたいな)


今のところ自分は剣術スキルでしか戦っていないが……


(【ゲーム魔法】は、攻撃魔法(こうげきまほう)の手段も豊富だからね)


次の魔物に出会ったら、攻撃魔法も使ってみることにしようとフィオネは思った。







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