第1章13話-2:集合と班分け
まず男性が自己紹介をした。
「俺はエレクだ。Dランク冒険者で、魔法剣士をやってる」
20歳ぐらいの若い男性である。
身長169センチ。
赤髪。
黄色い瞳。
戦士装束に身を包んでいる。
手練れの雰囲気をかもしていた。
「私はキルティアです。同じくDランク冒険者で、弓使いをやっています」
丁寧な敬語であいさつしたのは、もう1人の仲間。
弓使いの女性である。
身長155センチ。
緑色の髪。
赤い瞳。
戦士装束のうえに、鉄の胸当てをつけている。
「私はフィオネよ。ええと、さっき冒険者登録をしたばかりの新人で……Fランクよ。一応、剣士をやってるわ」
「ふうん。新人か。どうりで見ない顔だと思ったよ」
とエレクが納得げに言った。
「まあダンジョン攻略班に入ったんだし、新人でも強いんだろ。よろしくな」
「こちらこそ」
フィオネたちはあいさつを交わす。
ちょうどそのときギルドマスターが名前を呼び終わる。
そして声を張り上げた。
「では全力を尽くし、このモンスタースタンピードを乗り切ろう!」
「おおおおおッ!!」
冒険者たちが大声で応じた。
それぞれの持ち場へと行動し始める。
(新人冒険者なのに、いきなりスタンピードと戦うことになるなんてね)
とフィオネは思いつつ、気合を入れた。
(まあ仕方ない。頑張ろう)
そのときだった。
「おいおい。まさかお前も参加するのか、フィオネ?」
「……!」
聞き覚えのある声。
フィオネは振り返った。
そこにはジャランが立っていた。
またジャランか。
「……なぜ、あなたがここに?」
フィオネの表情が曇る。
ジャランが不敵な笑みを浮かべながら答えた。
「俺もスタンピードの制圧作戦に参加するからだ。俺は騎士見習いだからな。ここで武勲を挙げておけば、見習いから騎士に昇格しやすくなるのだ」
その回答にフィオネは少し驚く。
騎士見習いというが……ジャランはまともに戦えるのだろうか?
全然そんなイメージが沸かない。




