2速 10年ぶりの公道
シビック納車!3人は集まりその余韻に浸る!
2ヶ月後 シビックは奏の元へ
「ほら、シビック、大事に乗れよ、確認したら10年は放置されてたみたいだからな」
奏はキーを回し、ドウン!と言う音と共にシビックは10年ぶりに目を覚ました。
「うぉぉ俺のシビック!壊れまくりで2ヶ月も待ったけど、やっぱ待った甲斐があったなぁ、秋と優馬に自慢しまくってやろうか!」
携帯を開けてPINEのグループに写真を送信した。
奏『シビックSIR!』
秋『シビック買ったのか!?いいなぁ!』
優馬『俺のテンロクスイフトと勝負しようぜ』
『今からみんなで遊ぼうよ!』
回転数を合わせ、クラッチをゆっくりと繋いでいく。久しぶりのMT車なのでぎこちなかった。
「くわぁぁ!怖いけど、楽しい!」
グォン!ヴォン!とアクセルを煽りながら、ゆっくりとコンビニへ入っていく。
「おっ、メインの奏さんだぜ」
「みんなおつかれー!」
「いいなぁシビック!俺にも運転させろ!」
「やだよ!お前はs14じゃんか!」
奏の車も合わせて、3台集まった。シビック、シルビア、スイフト、初めて親友同士で並べあった、皆嬉しくて、ワクワクでたまらなかった。
「どっかいく?」
「そりゃもちろん!鳴門スカイライン!」
(早く走りたい!)
奏は父親の車でしか鳴門スカイラインに行ったことがなかった。シビックを納車する前から、自分の車を買ったら鳴スカに行くと決めていたのだ。
「じゃあ着いてこいよ!」
3台は勢いよくコンビニを後にした、夜の21:00、辺りは暗く、一般車の数もかなり減ってきている。
徳島自動車道 鳴門IC付近走行中の頃…
ボォォーッパンッ!パンッ! バァァァァ!
うるさい、明らかに直管だ、奏が振り向くと後ろから黄色いヘッドライトの白い4ドアのR34スカイラインとインテグラDC2が凄い勢いで追い抜いてきた。
「うおっ、DC2とR34か!はぇぇ」
「追いかけようよ!絶対鳴スカだよ!」
「よっしゃ行くぞ!」
4速から3速に下げアクセル全開で突き進んでいく、アクセルから足を離し、クラッチを踏み、シフトを3から4へ上げアクセルを踏む、この瞬間がとてつもなく堪らなかった!
「これだよ、これこれ!最高だ!」
国道11号を突っ走り、県道183号に差し掛かった。
鳴門スカイラインだ。
(正直怖い…)
「ビビんなよ奏!」
「よし…行くぞSIR!!」
海沿いの道を爆走し、大きな坂を上り、小鳴門橋に差し掛かった。右側を見るととても綺麗な景色が並んでいた。R34とDC2の姿はまだまだ見えない。
「あの2台まだ居ないな」
ヘアピンと四方見橋をパスしたあと、四方見展望台に到着した。さっきの2台はそこに止まっていた。奏達はその隣に車を止めた。
「こんばんは!めちゃくちゃ早いですね!」
「ん、あぁさっき追い抜いた…」
「ここら辺で走ってるんですか?」
「いや、俺らはテキトーにそこら辺の走り屋倒してるだけ、市内出身だけどね」
優馬はその言葉に反応した。
「という事は今日も?」
「そうだよ、でも人が居ないんじゃ来た意味なかったよ。香川にでも行こうかなって」
「人ならここに居るじゃ無いっすか」
「君たちと走るって?」
「そうです、勝負しましょ…ムゴゴゴ!」
奏と秋は冷や汗になりながら優馬の口を抑えていた。
「すいません…こんな奴で、へへっ」
((おいっ!相手はR34とDC2だぞ!))
「ムゴゴ…ゴゴ!…ムガァ!(だから何だよ!楽しければいいじゃん!)」
「はは…なんて言ってるかわかなんないけどいいよ」
「ぷはぁ!マジっすか!お願いします!」
優馬は手を引き剥がし、目をキラキラさせている。秋と奏は呆れ返っていた。
「とりあえず大塚国際美術館までね。全員でかかって来なよ」
「はい!」
(余裕って訳か、なんか悔しい)
5台は道へ、並びはスイフト、シビック、シルビア、インテグラ、スカイラインの順番だ。
「クラクションが鳴ったらスタートだから!」
5台分のエンジン音が、鳴門スカイラインに鳴り響いている。
「初の車で初のレースか」
クラクションがなり皆が一斉にスタートした、慣れないスキール音が少し気持ち悪かった。
初レースは鳴門スカイライン!相手はR34&DC2!