1速 初めての愛車! Prologue
初の愛車探し、親父に連れられ中古車探しに向かう、そこで出会った一台の車
「おし、じゃあ行くか」
親父の車の助手席で揺られながら向かった先は、街から少し離れた個人店だった。
この物語の主人公 白鳥しらとり 奏かなでは免許を取って1年、念願のマイカーを手に入れようとしていた。
「奏、お前何が欲しいんだ?軽か?それともエコカーか?」
奏は、目をキラキラさせながらカタログを眺めていた。
「ううん、俺はスポーツカーがいい」
「お前がスポーツカー!?明日は嵐だな」
「いいじゃんか、車に興味待っても」
子供の頃の奏は、特にこれと言った趣味はなく、分け隔てなくいろんなジャンルを転々としていく子だった、ましてや車や機械系の物は全く触れていなかった。
「着いたぞ」
REDzoneと書かれた看板の下で、タバコを吸っている中年の男性が立っていた。
「おう、来たか」
「今日はよろしくな、奏の奴、スポーツカーが欲しいって」
既に奏は中古車の方に飛びついていた。
「流石はお前の息子だな!まぁその辺の車見てな、こっちでも探してみるからよ」
「これBNR34じゃんか!うっ…高い…ZN6かぁこれもいいなぁ…ん?」
奏が見た先にあったのは、少し汚れたEF9シビックsiRだった。
「おっEF9か懐かしいな」
「親父、これがいい」
「えっ、これめちゃくちゃ古いぞ」
「うん、これがいい」
奏のそのとてつもなく真剣な表情は、今までにないオーラを感じた。
「うーん、わかった、おーい明夫!」
「あぁ?いまコピーしてるからぁ!」
「奏これが良いってさ!」
「ん、あぁEF9ね!…ん!?待て待て!EF9にするのか!?」
奏は、ボンネットに手を当てながら明夫に向かって言い放った。
「俺はこいつと走りたい!」
shift up!! これからよろしくお願いします!