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超越大戦  作者: やけたミカン


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3/5

序章(後編)

天国にいるりゅうちゃん、お元気ですか?


私は、りゅうちゃんのお墓の前に立ちつくして話しかけてました。


あれから二年たったのに

不思議なんだ、りゅうちゃんの名前を出すと

今でも、寝ぼけたりゅうちゃんの返事が返ってきそうになるんだ。


おかしいよね、そんなことないのに


星絆はね、相変わらずちゃんとお祈りをしてるよ


二年前、

りゅうちゃんが死んだって聞いた時、星絆もショックを受けてた。


普段はりゅうちゃんのことを、ツンケンしてたけど張合い相手がいないってやっぱり寂しいみたい


けれど星絆が言ってたのお祈りしてる時、神様だけじゃなくてりゅうちゃんも聞いてくれてるって思うから


お祈りは欠かさずやるって


…星絆らしいよね


これ、りゅうちゃんの好きだったお菓子ここに置いておくね


私はりゅうちゃんのお墓に私の手作りお菓子を置いて

にこやかに笑った。


「お〜い、美優〜そろそろ行くぞ」


少し離れたところから、星絆の声が聞こえる


「うん、すぐに行く」


じゃあね、りゅうちゃん


私はりゅうちゃんのお墓を後にして、星絆の元へ向かった。


天国にいるりゅうちゃん。

あれから二年。


美優

星絆 16歳になりました。


超越者との戦争は、

まだ終わっていません。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「美優〜今日の祝典楽しみだね」


りなちゃんが片手に教祖の顔が描かれてるペンライトを持って楽しそうに言う


「うん、そうだね」


私は遅れて頷いた。


今日は教祖様主催の祝典という名のドームコンサート

私たちの信仰してる教祖様は楽しい事が大好きで自分の歌を書いて歌ったりしている


その教祖様のコンサートが今夜ドームで開催される


それを聞きに多くの信者が参加している

勿論施設育ちの私達も皆参加した、小さい子供達はまた、コンサートに連れては行けないからお留守番だけど。


「教祖様の歌声が聞けるなんてほんとに素晴らしいことだよね、それに来られる事が何よりの感謝だね」


勿論、超信者とも言ってもいい、白井さんとりなちゃんも来ている


信者さん達の中にはコンサート用のTシャツやペンライトで着飾った人達もわんさかいる


みんなこれも大切なご神業だと思って参加してる人達だ


信者の皆は学校や仕事を無理に休んでもここに来てる

そこまでの行動力はとてもすごいと思う


「教祖様の歌は、魂が浄化される感じがする」

「ここに来られただけで救われた気がする」


その一つ一つの声が、波のように重なっていく。


「美優どうしたんだ?」


周りの雰囲気を見渡している私を見て星絆は気遣ってきた。


「ううん、別に大したことではないの、りゅうちゃんがいたらこの光景なんて言ってたのかなって思って」


それを聞いて星絆は少し思い返した。


「あいつなら、「こんな事に参加して意味があるのか?

道楽に付き合う気はな〜い」って言って言ってここには来ないな」


星絆はりゅうちゃんっぽく言って返してきた。

微妙に似てなかったけど寄せてるなって気持ちは凄く伝わった。


「フフフ、そうだね」


流石星絆だ、りゅうちゃんと3人でずっと一緒にいたから家族同然だと思ってる

ずっと一緒だってあの時の約束したもんね


そう言いながら、無意識に視線を走らせる。


その時だった。


人の流れの向こう。

通路の端を、逆方向に歩いていく一人の後ろ姿が目に入った。


髪は少しふんわりした茶髪のウルフヘア

黒の着丈の長い上着

あくびしながら歩く仕草


ーーーそんなはず、ない。


分かっている。

分かっているのに。


胸が、強く脈打った。


「……りゅう、ちゃん?」


声にならない声が、喉で止まる。


その人物は立ち止まることなく、人混みに紛れて消えた。


「美優? どうした?」


星絆が振り返る。


「今の……」

私は言葉を探した。


私は止まらずにはいられなかった。

すぐに後を追って

さっきの人影を追って行く


「どこ……?」


辺りをキョロキョロと見渡す


「どこに行ったの…」


人の動きをかき分けながら


足を速める。

祝典前の高揚した声が、背後で遠ざかっていく。


さっきの後ろ姿。

歩き方。

気だるそうな、あの感じ。


――間違えるはずがない。


ドームの広間を出て

もう一度辺りを見渡した。


「……っ」


いた。


人の少ない、スタッフ専用通路の手前。

一般客があまり入らない、薄暗い裏動線。


黒い上着の背中が、確かに見えた。


「りゅうちゃん……!」


「待って!」


思わず駆け出す。


裏通路へと続く扉が、静かに閉まる。


「……!」


美優は迷わず、その扉を押し開けた。


中は一気に静まり返っていた。

人の声も、遠い。


コンクリートの床。

非常灯の赤い光。


「りゅうちゃん……?」


返事はない。


その時。


背後で、足音。


振り返るより先に、

視界が、ぐらりと揺れた。


「――っ」


後頭部に、鈍い衝撃。


声も出せず、膝が崩れる。


床が、迫ってくる。


最後に見えたのは、

僅かな光で反射した眼鏡のレンズと、見下ろす影。


「……ごめんなさいね」


誰かの声が、遠くで聞こえた気がした。


次の瞬間、

意識は、完全に闇に落ちた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


星絆side


「……美優?」


人波の中を見回しても、あいつの姿がない。


さっきまで、確かに近くにいたはずだ。

りなと教祖の話をして、

俺は少し前を歩いていて――

振り返ったら、いなかった。


「おい、りな。美優見なかったか?」


「え?」

りなはきょとんとして、首を振る。

「さっきまで一緒じゃなかったの?」

「あぁ、一緒にいたと思ったのになぁ」


美優がはぐれて少し心配になる


会場スタッフの誘導が始まり、

人の流れは一方通行になっていく。


「まぁ席は指定席だし、時間になったらすぐに合流出来るでしょ」


りなの言う通りだきっとお手洗いか何かだ。

すぐに戻ってくる


そう思う事にした。


ーーーーーーーーーーーー


ドームの中は、異様な熱気に包まれていた。


信者たちの歓声。

揺れるペンライト。

巨大なステージと、眩しい照明。


「すごいね……」

りなが興奮気味に言う。


「ああ」


俺は返事をしながらも、

空いた席――美優の席を見る


あいつ何やってるんだ

もう始まるのに


開演の合図。


音楽が流れ、

教祖の姿がスクリーンに映し出される。


歓声が、爆発した。


祝典は、順調に進んでいった。


教祖の歌。

バックコーラスたちの合唱。

感動して涙を流す者さえいる。


周囲は、完全に「祝福」の空気だ。


紙吹雪がドーム中に広がり


歓声も最高潮に達した

その時だった。


――ぶつり。


会場全体の照明が、落ちた。


一瞬、どよめきが走る。


「え?」

「停電?」


だが、すぐに照明が戻る。


「なんだ、演出か」

「びっくりさせないでよ」


信者たちは、そう言って笑った。


次の瞬間。


ステージ背後の、

巨大プロジェクタースクリーンが切り替わった。


映し出されたのは――


血。


白い床に広がる、濃い赤。


そして、

宗教の幹部の一人が、

剣で胸を貫かれ、壁に縫い付けられている姿。


幹部の人は熱心に宗教活動してる人なら誰しも知ってる人だった。


「……っ!?」


誰かが、悲鳴を上げた。


ざわめきが、一気に恐怖へ変わる。


「な、なにこれ……?」

「冗談でしょ……?」


だが、映像は消えない。


「おい、映像消えないぞ、どうなってるんだ?」

「早く何とかしろ」


スタッフも冷静ではなかった


これは作り物じゃない。

血の量が、異常だった。


「じゃあ、あそこに貫かれてるのは」


俺は理解した。


その直後。


ゴゴゴ……という、低い音。


ドームの天井が、ゆっくりと――開き始めた。


冷たい空気が、上から流れ込んでくる。


信者たちは、無意識に空を見上げる。


今日はブルームーンしかも満月

雲ひとつなく月が綺麗に照らされていた。


その中に、ちょうどドームの頂点に位置していた場所に一人の男が空中で佇んでいた。


月の逆光が入り顔はよく見えないが、

宙に浮けるという時点で超越者だと分かった。


「随分と楽しそうだな、クソ教祖と愉快な仲間たち」


頂点にいた、男がそう発した

クソ教祖とは、なんだ失礼なやつだな


「しかし今日は本当におめでたい日だ、これは僕が君たちの崇める神と教祖、そして信仰に身を捧げた尊い信者達へささやかなるプレゼントだ」


男が、ゆっくりと腕を上げる。


男の額から、ドラゴンのような角が伸び、

背中からは巨大な翼が広がる。

腰の後ろからは、太くしなる尾。


人の形を保ったまま、

“中身だけが化け物”に変わっていく。


――超越者。


いや、そんな生易しいものじゃない。


更に何もない所から十二本の蒼く光る刃が現れた。


一本、二本――

十二本。


すべてが宙に浮き、

男の背後で静止する。


「さぁ」


男は指を鳴らした。


「ショータイムだ」


乾いた音と同時に十二本の蒼く光る宙に刃が解き放たれた。


最初の犠牲になったのは通路の端にいた女性だった。


悲鳴を上げる暇すらなく、

身体が、赤い線を描いて崩れ落ちる。


その瞬間、理解した。


冗談じゃない。

これは演出でも、罰でもない。


――本気で、殺しに来ている。


「逃げろ!」


誰かが叫ぶ。


周りはパニックに直ぐに逃げようとホールを出ようとするが何故かホールからは出る扉が開かなかった。

扉には全て鍵をかけられていた。


扉の前で立ち往生していた信者は、次々と刃の餌食となった


祈りも、叫びも、

神の名すら――


ここでは、何の意味もなかった。


俺はただ、逃げるのに必死だった。


周りが悲鳴を上げ泣き崩れながらも次々と斬り殺されていく


大丈夫、きっと先生が何とかしてくれる


そう信じていた。

疑う余地なんて、なかった。


そう思って俺は先生が歌っていた、ステージ付近に向かった。


刃を避け、転びかけ、

それでも必死に走った。


刃が飛び交う中必死に避け何とか辿り着いた

その先に目にしたのはさっきのドラゴンの超越者が教祖に向かって歩いていた。


「先生!早くお逃げください」


そう言って教祖の側近の二人が教祖を守りドラゴンの超越者を止めようとするが


「SET UP デュアルブレード」


超越者がそう言うとドーム中を飛び回ってる刃の数本が刀身が蒼く光る二本に剣に変形して、超越者の手の元にそうして二本の剣を使って


超越者は歩きながら、側近の一人を一本の剣で心臓を突き刺しその場に捨て、使った剣は刃に戻して

また信者の元に飛んでいく


残ったのはもう一人。


超越者は一閃で胴を斜めに裂き

倒れかけたその髪を掴んだ

ーーーそして


首と胴体を、切り離した。


生首は、軽く放られ、

教祖の足元へ転がる。


教祖は悲鳴を上げ、

反射的に、それを投げ捨てた。


その様子を見て、

超越者は笑った。


「もぉ〜ダメじゃないかぁ〜あんたの大事な信者だろ?」


吐き捨てるように言う


「もっと優しく扱えよ」


そう言いながら超越者は教祖との間合いを詰めた


「SET UP ソード」


超越者の指示でさっきまで信者を殺してた十二本の刃が集まって変形して1つの剣になった。


蒼く光る刀身。

冷たい輝きだった。


「おい、やめろ……」


俺はこれしか言えなかった


「さよなら先生。懺悔なら…あの世でね」


「や、やめてくれぇ……」


俺はその場で泣き叫んだ


超越者はそう言い放ち教祖を一撃で斬り殺した。


「せ、先生!!!!!!」

声は震え、情けないほど弱かった。


次の瞬間。


超越者の剣が、ひと振りされた。


それだけだった。


教祖の身体は、何の抵抗もなく斬り裂かれ、

その場に崩れ落ちた。


「……せ、先生……!!!!」


それを見てしまった信者たちは、

逃げることを忘れ、立ち尽くした。


絶望で、足が止まった。


だが――


宙を舞う刃は、躊躇しない。


立ち止まった者から順に、

無言で、確実に、命を刈り取っていった。


やがて、悲鳴も、動きも、完全に消えた。


「フフフ、フハハハハハハハハハ」

「滑稽だな、信じてたものがこんなにも壊れるとはな」


宙を舞う刃は周辺にあった、信者の死体を山のように積み重ねて


超越者は死んだ教祖の髪を掴んでその山を登っていった


そして、ビデオに残そうと回してたカメラを使って超越者は


「人類帝国の皆さーん見てる〜これを見てたら自分の非力さに痛感するんだな」


そう言ってドラゴンの超越者は全て終わったと判断したのか、夜空へと飛びたった。


――静寂。


俺は、生きていた。


なぜか。

理由は、分からない。


もしかしたら、他にも……。


そう思って、俺は周囲を見渡した。


そこに目に映っていたのは――


血で染まった床。

折れたペンライト。

踏み潰された祈りの言葉。


……人は、誰もいなかった。


他に生きてる人はいないかと辺りを歩き探していたら


その道中で


「白井さん……りな……ゆき………」


さっきまで楽しく会話していた人達が

無惨に斬り殺されていた


動くものはなく、

声もなく、

神もいなかった。


俺だけが、立っていた。


どうして生きているのか、分からなかった。

助かった理由も、意味も。


だがら一つだけ


分かった。


超越者は二年前には兄弟同然だと思ったやつを殺し

今回は信じていたもの家族、全てを壊された。


僕が神様に変わって断罪する


あのドラゴンの超越者を

いや、この世全ての超越者を一人残さず全員殺す!

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