プロローグ2
先生曰く、この世界には「魔素」という特別な物質が存在し、それをさまざまな形に変化させることで魔法が使えるという。使える魔法の属性は使用者の適性属性で決まり、適性属性以外の魔法は使うことができないらしい。先生の場合は炎の魔法が使えるとのことだった。
普通は二、三年かかるところを俺はおよそ一年で魔素の流れを自在にコントロールできるようになり、その異常な速さに先生はとても驚いた様子だった。練習の末、ようやく魔素の流れを自在にコントロールできるようになった俺は、ついに初めての魔法を試す時が来た。先生は俺の前に立ち、真剣な表情で見守っていた。
「集中して、魔素を感じ取り、心の中でその形をイメージするのよ」と、先生の声が静かに響く。
俺は深く息を吸い、目を閉じて集中した。周囲の空気が静まり返り、俺の意識は内側に向かっていく。やがて、体の中を流れる魔素の存在を感じ取ることができた。
「そのまま、魔素を手に集めてみて」と、先生の指示に従い、意識を手のひらに集中させる。温かいエネルギーが集まり始め、次第に強くなっていくのを感じた。
そして、ゆっくりと目を開けた瞬間、手のひらから眩い光が放たれた。金色に輝く光が私の手を包み込み、周囲を明るく照らした。
「これは…」
驚きと興奮で胸が高鳴る中、先生の驚いた声が聞こえた。
「あなたの適性属性は…光…」
彼女の表情は驚愕に満ちていた。なぜそこまで驚くのか、俺には理解できなかったが、明らかにこれは特別なことのようだった。
「先生、どうしてそんなに驚いているんですか?」
私は光の中で彼女を見つめ、問いかける。彼女はしばらく沈黙した後、こう答えた。
「いえ、少し珍しい属性だったから。」
その日の話はそこで終わってしまった。
光は珍しい属性なのか。属性は今後の人生を大きく変化させる。強いといいんだが...
その夜、彼女は一人で何かを考え込みながら、ぽつりと「もしかしたら、あの子は…」と言葉をもらすのだった。