出会い3
「あはは、そっかぁ。じゃ、私の恥ずかしいところとか、もしかしてヌードとかんも見ちゃったのかな??」
air>・・・っていうか、正直そういうことよりすごく気になったことがあってさ。だから今日思いきってくうちゃんのチャットに入ったんだよ。
「・・・・・・ぇ・・・何・・・??」
正直触れられたくないことに触れられそうな予感がした。
air>何か体のあちこちにアザみたいなのが見るたびに違う箇所についててさ。しかも数も増えてるみたいな感じがするし。くうちゃんは隠そうとメイクしてたみたいだけど。
「嫌だ~~~!!何か変な誤解とかもしかしてしちゃってる??さっき言ったじゃん。私すごいドジなんだよ。しょっちゅうぶつけたり転んだりするんだよ」
air>・・・でもさ。ウエストらへんってどう考えても、あまり物にぶつからないでしょ??ぶつけてもあんなに濃いアザにはならないと思う。
airさんはパソコンのキーボードをうつのが、相当早いらしく、真っ黒の画面にどんどん白い文字が浮き上がってくる。
その文字を目で追うたびに、私は寒気を感じる。
「それで何が言いたいわけ?」
air>うん。はっきり言うと、DVじゃないのかなって思ってる・・・くぅちゃんは誰かからDVを受けてるんじゃないの?
「・・・・・・」
私は黙るしかなかった。
air>やっぱりそうなんだね。黙ってるってことは図星ってことだよね??
「・・・・・・」
air>どうにしろ、ちょっとそのアザはひどいと思うよ。初めて話す俺が口出す事じゃないかもしれないけど。
「うるさい・・・」
思わずボソッつぶやくように言葉が出た。
「DVだから何??airさんに何か関係あるの??」
air>確かに。関係ないかもしれない。
「関係ないなら触れてほしくない事に触れないで!」
一度言葉を発したら止まらなくなっていた。
頭に血が登って、怒りが収まらない。
怒りをairさんにぶつけるしかない。
私は強制的にログアウトした。
自分からチャット中にログアウトをしたのは初めてだった。
でもこれ以上この件に触れて欲しくなかったし、チャットをする気力もなくなっていた。
やっぱり今日はログインするべきじゃなかったなぁ・・・って、私はため息をついた。
これが私とairさんの出会いだった。
最悪な出会いだった。