チャットレディー
私はこのサイトで、チャットレディーのバイトをしている。
チャットレディーはパソコンに取り付けたカメラを通して、見知らぬ男性とコミュニケーションする仕事。
普通にお話したりはもちろん、もっと過激な事を要求されたりもする。
例えば裸になったり、一人Hをしたり・・・
でも実際に男性と接する訳ではないから、人間嫌いな私にはすごく気楽な仕事だ。
仕事でのハンドルネーム(キャバクラでの源氏名と同じようなもんだ)は、
「くぅ」
空虚の「くぅ」だ。
だって私には何もない・・・
私にぴったりのハンドルネームだと思う。
ログインしたら、早速仕事開始だ。
しばらく待機していると、私の待機画像を見て気に入ってくれたどこかの誰かがチャット指名してくれる。
今日もニコニコ作り笑いを浮かべながら待機していると、
ピロリン♪
軽快な誰かの入室を知らせるチャイム音。
誰かが私のチャットルームに来たようだ。
「こんばんわ~~」
チャットといっても、私はキーボードではなくマイクでやっているので、相手もマイクで話してくれる事が多い。
キーボードは打つのが大変だし、私はマイク派。
でもやっぱりこのバイトってテレビテレクラだなぁ・・・っていつも思う。
「くうちゃん、こんばんわ、すごくかわいい子だから思わず入っちゃったよ~~」
「あは。ちょ~~うれしい!ありがとうございますぅ」
私は最高の作り笑いを浮かべる。
声はいつもより数オクターブ高い。
「くうちゃんは顔もすごいかわいいけど、体はもっとかわいい感じだよね(笑)」
・・・・・・・きた、きた。
やっぱり男の人っていつもこういう話の流れ。
「あは。どぉだろ??」
「くうちゃん、体つきがエッチそうだもんね~~」
「そんなことないって。やだ~~」
「えぇ~~嘘~~。おじさん、くうちゃんの素敵な姿見たいな」
「素敵な姿ってぇ?」
「わかってるくせに!生まれたままの姿だよ」
「恥ずかしいなぁ・・・じゃ、もう少しお話してぇ、仲良くなったら、私恥ずかしいけど・・・見せちゃおうかな」
私は結局1時間後に、この見知らぬおじさんに裸を見せたんだ。。