逃亡4
車は30分程走って、2階建てのアパートに到着した。
アパートのすぐ側の駐車場に車を停めると、airさんはすぐ助手席のドアを開けてくれた。
「一応、ここだけど。くうちゃん、大丈夫?降りられる??」
正直動きたくないほど体がだるかったけど、私は黙ってうなずいた。
そしてゆっくり車を降りる。
そしてairさんの後ろをついていく。
airさんはアパートの階段を上がっていく。
カンカンカンと上ると音がする。
そして、2階の一番奥の部屋の前まで来ると、
「ここなんだ、俺の部屋。汚いから悪いけど・・・」
airさんはそう言いながら、鍵を開けてドアを開けた。
「どうぞ」
airさんに促されて、私は靴を脱いで中に入った。
部屋は思ったより広かった。
廊下も広いし、部屋もリビングと他に2部屋ある。
だけど部屋が広く見えるのは、物が少なくて整然としてるせいかもしれない。
airさんは「汚い」と言ったけど、すごくきれいに片付かれた部屋だった。
airさんはリビングを通過して、リビングの奥の部屋に私を誘導する。
そこはシンプルなシングルベッドだけ置かれた寝室だった。
「くうちゃん、俺のベッドで悪いけど、ここで休んで。君は熱があるんだから」
それだけ言うとairさんは寝室を出ていった。
私はもう正直立っているのもつらかったので、airさんの言葉に甘える事にした。
急に力が抜けて、ダイブするようにベッドに倒れこんだ。
それから私はすぐ意識を失った―――