逃亡3
処置が終わって一段落つくと、私は急激にだるくなってきた。
駅まで走ってきた時に感じた全身の熱さもまだ治まっていなかった。
「くぅちゃん、大丈夫??」
airさんがそう言って、私の額に手を当てた。
「・・・やっぱり・・・」
「え?」
「こんな状態だから、炎症起こして熱出てるんだよ。相当熱あるよ。全身熱くない?」
「そうかも・・・」
「とりあえず物を食べてないから、本当は良くないけどこれ飲んで」
そう言って、airさんは解熱剤とミネラルウォーターを私に差し出した。
やっぱり先ほどから感じてた熱さは、熱のせいだったのか。
タカから逃げてきてairさんに会って、気が緩んだのか私はもうしゃべれないほどに体調が悪くなった。
急いで解熱剤をミネラルウォーターで流し込むと、車のシートに寄りかかって目を閉じた。
「くぅちゃん、こんな状態だから、緊急休養所として俺の家に運んでもいい?それともどこか行って欲しいとこある?それなら送っていくから」
airさんの言葉に私は黙って首を横に振った。
私が行く場所など、どこにもないのだから・・・
airさんはそれからは何も言わず、エンジンをかけた。
車がゆっくり出発する。