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逃げる勇気3

「何なんだよ!?このサイト!!」


「・・・・・・」


「黙ってんじゃねぇよ!!このサイトは何だって聞いてるんだよ!俺が帰ってきて久々にメールチェックしようと思ったらパソコンにいきなりこの画面があったんだよ!!」



タカが急に帰ってきたのに動揺して、チャットの画面を消したつもりが画面をただ小さくしたままだったらしい。

自分のうっかりさが本当に今憎かった。

思わず唇を噛んだ。



「聞いてんのかよ!てめぇは!!」



いきなりタカのパンチが頬に入った。

すごい衝撃で一瞬目がチカチカした。

私はその場に倒れこんだ。



「てめぇ、こんなサイトで男あさりしてんのかよ?」



倒れこんだ私に容赦なく蹴りが入る。

お腹、腕、太もも、連続で容赦なく蹴られる。

だんだん痛いという感覚もなくなって、ジーンと痺れてくる。



「ここのチャットサイトでバイトしてるんだよ。チャットするとお金が入るの・・・」


ボーっとしてくる意識の中で私はタカに言う。


タカは倒れている私の髪の毛をつかんで私の上半身を無理やり起こすと、

「はぁ?俺が働いてないからって暗に責めてるのかよ!」

と怒鳴って、私のお腹に再び思いっきり蹴りを入れた。


私はもうタカに何も言い返すことができなかった。

私が何を言ってもタカは聞いてくれないだろうし、ましては暴力を振るうのを止めるとは思えない。

それだったらおとなしく抵抗せずにいよう・・・

もう私は何も考える事ができなくなっていた。


「何とか言えよ!ばかやろう!」

「新しく男作って、俺から逃げ出そうなんて考えてるんじゃねぇぞ!」

「お前みたいな女、相手にするのは俺くらいなんだよ!」



タカの罵声と暴力は続いた。

私の視界はだんだんぼんやりして、目の前の景色はだんだん霞んできた。


意識も何だかぼんやりとして、痛いのか痛くないのか、自分がどういう状態なのかさえもよくわからなくなっていた。



「わかったか!俺に黙ってこんなことしてっから、こんな目に合うんだよ!」



タカが又私の髪の毛をひっぱって、無理やり私の上半身を引き起こして言う。

ブチブチ・・・と、髪の毛がまとめて抜ける音が耳元で聞こえた。


「チッ、気分悪ぃ!」


タカは舌打ちして言うと、私をゴミのように放り出す。

そして私のカバンから財布を出すと、お札を全部まとめて出して、自分のポケットに入れた。



そこで私の意識は途切れた―――


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