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鏡の中の私。


冴えない顔。

幸薄そうな暗い顔。


23歳のこれが私・・・


思わず深いため息をついてしまう。


ますます暗い顔に磨きがかかった。



森下空良。23歳。

体型も普通、

顔も普通。



ため息をつきながら、洗面台の戸棚からメイク道具を取り出す。


面倒くさいけど、化粧を始める。


ファンデをのばして、眉毛を書く。

マスカラはたっぷりめにのせる。

アイシャドーの色を何色も重ねる。

チークをポンポンと頬の上に乗せる。

そして仕上げに唇にはたっぷりのグロス。



これで私は輝く想像世界での扉を開ける。


いかにも不幸そうな顔がポッと明るくなった。



そして私は無機質な箱、パソコン前へ座る。


マウスをクリックして開いたのは、

「チャット☆ラブ☆エンジェル」


ピンクの背景色が何だか目をチカチカさせるサイト。

全体に淫靡なムードが漂ってる。



だけどここが現実の私を忘れさせてくれる場所。


そして私の仕事場―――


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