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2/10

僕が夜の世界へ…その第ゼロ歩。

 「卒業式に歌舞伎町のキャバクラでVIPルーム行こうぜぇwwwウェーーーーイwwwww」と盛り上がっておきながら


 「冗談かと思ってた(笑)」

 「そもそも歌舞伎町遠い…(-。-)y-゜゜゜」

 「急遽バイト入られて断れなかったわ(T_T)」


 と友人全員に断られたあの日



 俺はキャバクラに行くことにした!!

 1人で!!!




 一人称が「僕」を使っている時は、当時の俺の視点とする(ややこしいな)


 童貞ではなかったわけだけど、この際だ

 俺が童貞だと思って読んでくれ


 僕=童貞目線



 その方が……


 面白い。

 

 大学生、1人でお祝いとかご褒美…ってなんだろう?

 この小説を読んでくれている皆さんは何をするだろうか?


 ケーキでも買うか?

 服やアクセサリー買うか?

 スイーツ、レストラン、旅行…日頃から欲しかったものでも買うか?



 俺はそんなもの「自分への祝福」で買う必要がないと思う


 風情が感じられない

 妥協というお祝い、じゃないか


 そんなもの俺にはつまらない(首を横に振りながら)



 とはいえ、そうなってくると選択肢も狭まってくる


 大学生の時の俺も……

 現在の俺も……

 そういうお祝いというと、キャバクラしか思いつかねぇや…(^^;




 僕にとって…

「僕」という名の俺にとっては……


 キャバクラってそういう場所

 お祝いとかご褒美とかで、行く場所


 なんて思っている…奴もいるよ、キャバ嬢の皆さん



 今の俺はこう思う


 キャバクラってどんな場所だ?


 そりゃセ……話を戻そう。





 自分を言い聞かすことならできた

 キャバクラに行きたくない理由は…怖い、金掛かる、遠い。

 いや、そんなもん全部嘘


 俺は「初めて」に、怖がっていたんだと思う

「初めて」が、「初めてではなくなる」ということに…。

 僕が、僕じゃなくなっていくことに、怖がっていたんだと思う


 俺が少し前、音楽学校に行こうと決めてから最初の体験に行くのに2ヶ月掛かったことがある

 この御時世ならば、ネット検索で1番上の行けば5分で終わるのに関わらず、だ


 『面倒くさい』は、『自分が変わっていくことが怖い』

 

 こういう意味なのだろう、と俺は思う


 まぁ、そこから俺が新宿で路上ライブする話は……また今度だ


 



 話を戻そう





 夜8時頃…

 この夜の8時頃というのよく覚えている


 この時間になって俺は立ち上がろうと決めていた



 スーツ着替え直して

 お気に入りのネクタイ結び直して(午前中、卒業式だったからね)

 100円の手鏡見ながらギャッツビーのピンクのワックスを髪の毛に揉みこんで

 1,000円のやっすい香水ぶっかけて


 バスで()()()に向かった

 歌舞伎町ではなく。



 皆さんには謝らねばならん。すまん。


 俺は半端者だった

 歌舞伎町は遠いから、面倒だから、金掛かるから


 電車とバスではやはり敷居が違う



 …いや、本当は分かってる

「歌舞伎町のキャバクラ」に僕はビビったんだと思う(またその話か)

 行ってたらこの話に箔が付いてたのに…勿体ない


 今度歌舞伎町に路上ライブしにでも行ってやろっかな…。

 ヤクザに絡まれたら小説にしてやるわ

 今の俺だったらこう思えるから怖い(笑)



 まぁ、今にしてみても吉祥寺は結構なキャバクラ街と言えるかもしれない




 で、だ。




 「そうだ…予算はいくらにしようか?」


 ……よくわからん。

 カタカタとパソコンで行きたかった店のHPを打ち込んでも、料金体系が本当によくわからない

 なんでそこにしたかっていうと、その店が吉祥寺で一番料金が高かった

 から

 どこかで聞いたことある「パアーっと」やりたいやん


 いくら持ってくか考えた結果……俺は考えることをやめることになったわけだが。


 取り敢えず、引出しに入れておいた諭吉さん10人握りしめて家を出よう…

 これだけあれば心配ないだろう


 家を出る時、ドヤ顔で親に言っておいた

「ちょっと友達と飲み行ってくる(^^)」(いないけど)

 



 バスで何を考えてたか…緊張していたはずなんだけどあんまり覚えていない

 吉祥寺に着いてからの記憶があるからそこから話そう





 この輝きは途絶えない…。


 『ジュエルシュライン』




 俺は携帯片手にこの店を探した


 すまん、仮称だ

 実にキャバクラっぽい名前だろ(笑)

 1時間8,000円の店よ(これは本当)


 大学生が()()に行く。

 舐め腐ってるだろ(笑)



 これでいいんだ。

 僕も俺も「舐め腐っている奴」と思われたくて生きている


 しかし、20分ぐらいか…。

 この風俗街をいくら探しても見つからない

 ウロウロしてはパチンコスーパー団地に出戻り、果ては、本番の方になっちまう


 見つけられそうなもんなんだけどなぁ…。



 「見つけられない」

 「慣れない革靴のせいで足も疲れてきた」


 『だから、帰ろうか…。』

 とか考えた


 やはりそうか

 俺は、「初キャバクラ」にビビっている




 でも。



 「今日は大学の卒業式だったんだぜ!お前、逃げんなよ!」

 俺さんが僕に言ってくれた、この言葉だけ

 この言葉一つで()()を持ち帰りたかった。


 卑猥な意味ではなく




 だから最終手段

「キャバクラ街に突っ立ってる黒服に聞く!!」


 あのギラギラした感じの人たちに話しかけるのは、僕にはレベルが高いが…

 

 こんな時に限って金髪オールバック1人しかいない




 ま、もうしゃーない…。

 腹括って話し掛けるしかねぇよ



 『ここまで来て…逃げられるかよっっ!!』(本当だよ!)







 僕「jjじ、ジュえる、ジュエル、シュライン…ってどこですか?」


 これでもかってくらい口籠った(^^;

 自分の声を自分で聞いて焦ったからな(笑)


 でも、その黒服は多分優しかったんだと思う

 にこやか~に喋ってくれた(嘲笑か?)


 黒服「そこ営業停止ですよ(^^)」


 俺「!??」



 おいおいマジかよ…。

 せっかく緊張しながら遥々吉祥寺まで来たのに


 そんなことあるのかよ。。。



 黒服「そこの系列で営業してるんでそこだったら、ご案内しますよ(^^)」


 僕「ぁ、、、じゃぁぉねが、ぃします」

 (俺「よろしく頼むよ」)



 人は見た目ではない…か。


 いや、そんなことはない


 ……。



 談笑しながら案内してもらった

 店の場所が分かりづらいこと

 僕が童顔で若く見えること


 今日、大学で卒業式だったこと




 その店に着く頃には俺の緊張も少しほぐれたよ、助かったぜ


 別れ際には、俺が今日卒業式だったことをジュエルシュラインの黒服にわざわざ伝えてくれた



 気遣いってやつか。

「こいつ…かっけぇな…。」



 そのおかげで


 50分8,000円のところが

 70分8,000円、一杯無料、指名無料になった(^^)v


「では、この階段下ったところのドア開いてください」



 そう言われテクテクテクと、階段を降りると扉がある

 おぉ、ドラマで見たことあるぞ!


 【西洋の扉】だ(分からなかったら検索してくれ)

 あの蒲鉾(かまぼこ)みてぇな形の。


 と、初手、非日常に感動したのも束の間、、、


 『え…?』



 胸から全身にかけて痛み出す

 そう、俺はまた緊張しはじめた


 俺がこの門、開けんの?

 こういうのってウェイターが開けてくれるんじゃないの?


 妄想で行きまくった『キャバクラ』にビビる

 妄想にはなかった、現実に存在するこの扉……


 「ちち、ちょって待てよ、異世界に吸い込まれるんじゃないだろうな…」と馬鹿な危険予測(言い訳)をもしてしまう


 降りてきた階段を見上げるがその黒服はもういない

 こともあろうにキャバクラの扉を開けるのに、(こいつ)は黒服に助けを求めてしまっていた


 キャバクラに行きたくてここまで来てるのに、こんな扉を開けるのにビビる客なんかお前しかいねぇよ!



 皆さんにこの心情って伝わっているだろうか


 僕ならではのものなのか、童貞だからなのか……卑屈、狡猾、自虐

 自分でも執筆していて思う『こいつ絶対モテねぇわ…』


 それでも、まぁ…褒めてあげよう

 こいつは腹括った(こんなことだけど)




 「a…あ、開けるしかねぇ」


 心臓の鼓動が聞こえるくらいに緊張はした

 それでも…




 「ガチャっ…」









 黒服『いらっしゃいませっ!!』




to be continued.




2週間後にお会いしましょう。

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