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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た3  作者: 椎家 友妻
おまけドラマ 涼、またもや
73/73

8 今回も逃げオチで

 そう決断した俺は、迷わず(すず)ちゃんの右手を引っ張って新聞部の部室を飛び出した!

 「あっ!こら!」

「待ってください!」

 そう声を上げた尾田(おだ)先輩と本坂(もとさか)先輩が、俺達の後を追いかけて来た!

しかし俺は涼ちゃんの手を引いて一目散(いちもくさん)に逃げた!

するとそんな中涼ちゃんが走りながら俺に話しかけてきた。

 「ねえおにいちゃん、いま涼たち、あのおねえちゃんたちからにげてるの?」

 「ああそうだよ!今あのお姉ちゃん達に(つか)まったら大変な事になるからね!」

 俺は必死に走りながらそう叫んだ。すると涼ちゃんは、

 「わかった!それならがんばってにげないとね!」

 と言い、走るスピードを五段階くらいアップさせた。

 「どぇええっ⁉す、涼ちゃん⁉」

 俺が涼ちゃんを引っ張って走っていたのが、今度は逆に涼ちゃんが俺を引っ張って走る形に逆転した。

な、何という脚力!

あ、そうか、中身は九歳の女の子でも、体はミナ高バレー部のエースなんだ。

この前一緒に鬼ごっこをやった時も、文字通り鬼のように足が速かったからなぁ。


 とまあ、そんな涼ちゃんの脚力のおかげで、尾田先輩達を難なく巻く事がきた。

そしてその後涼ちゃんは、その前の部活の疲れもあってか、すぐに眠ってしまった。

なので俺はそんな涼ちゃんを体育館裏へ運び、一目散(いちもくさん)に沢凪荘に帰ったのだった。

 何か今日は、悩みのタネがまたひとつ増えた感じの一日だった。

最近、益々(ますます)俺の安息の場所が減って来ているような気がする。

果たして俺が(おだ)やかに日常を過ごせる日々はやってくるのだろうか?

少なくともそれは、はるか遠い未来のような気がするのだった。


おしまい 



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