14 尾田先輩の報告
プルルルル、プルルルル。
と、携帯電話の呼び出し音が店長室に鳴り響いた。
こんなシリアスな場面で携帯を鳴らすふとどき者は何処のどいつだ⁉
電源くらい切っとけよマッタク!
と心の中で憤ったが、よく考えたらこの呼び出し音は俺の携帯でした。
「うわわっ⁉すみません!」
そう言って慌ててポケットに入っていた携帯を取り出す俺。
そしてすぐに電源を切ればよかったんだけど、慌てていた俺は思わずその電話に出てしまった。
「も、もしもし?」
『もしもし?稲橋君?』
その声はどこかで聞いた事のある女性の声だった。
でもその声は美鈴でもなく矢代先輩でもなく沙穂さんでもなく・・・・・・
そうか、この声は、尾田先輩だ。
そう確信した俺は受話器越しの尾田先輩に話しかけた。
「その声は尾田先輩ですね?どうして俺の携帯番号を知ってるんですか?」
『そんなの、ちょっと調べれば分かる事じゃないの』
「あ~はいはい、聞くだけヤボでしたね。
で、せっかく電話をもらったのに悪いんですけど、今ちょっと取り込んでまして・・・・・・」
『あら、そうなの?急いで君に、知らせたい事があったんだけど』
「え?何ですか?」
『また、明日にする?』
「いや、急ぎの事なら今すぐ聞かせてください」
『じゃあ、言うわね?』
「はい」
『愛の雫が見つかったわよ』




