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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た3  作者: 椎家 友妻
第四話 ミナ高侵入作戦
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3 美鈴は基本的に親切

 「ええっ⁉」

「お、お嬢様⁉」

 その言葉に驚きの声を上げる俺と浜野(はまの)さん。

そしてすこぶる取り乱しながら浜野さんは続けた。

 「そ、それはいけません!お嬢様はその学校の生徒ではありませんし、もし忍びこんだ所を見つかったりしたら、大変な事になってしまいます!」

 しかし理奈(りな)はそれを聞き入れる様子もなくこう返す。

 「そんな事構いはしないわよ。それより、愛の(しずく)を探し出す方が先決だわ」

 ああ、この子って、本当に(たかし)さんの事が好きなんだなぁ。

彼女の言葉を聞いて、俺は素直にそう思った。

と、その時、美鈴(みすず)が静かな口調で言った。

 「じゃあ、私の予備の制服を貸してあげるわよ」

 「えっ?」

 その言葉に驚いたのは理奈だった。

そして目を丸くしながら美鈴に問いかける。

 「それ、どういう事よ?」

 それに対して美鈴は変わらぬ口調でこう返す。

 「私服のままで学校に行ったら部外者だってすぐにバレるでしょう?

でもミナ高の制服を着ていれば、あんたならそうバレる事はないわよ。

私とあんたは体形も同じくらいだし、制服だって着れるでしょ」

 「そうじゃなくて!どうしてあなたが私にそんな事してくれるのかって聞いてるの!」

 声を荒げる理奈。

しかし美鈴は事もなげにこう言った。

 「だってあんた、本気で孝さんの事が好きなんでしょ?

だから愛の雫を何としても取り返したいんでしょ?

そういう事なら協力するわよ」

 「え、だって、あなたは沙穂の味方じゃ──────」

 そう言いかけた理奈に、()()さんがニコッとほほ笑みながらこう言った。

 「私も、理奈お嬢様の恋を応援しますわ♡」

 「ええっ⁉何で沙穂までそんな事言うのよ⁉あなたは孝の事が好きなんでしょ⁉」

 「それは理奈お嬢様のカン違いです。

そもそも私が孝おぼっちゃまの気持ちを知ったのは(ごく)最近の事ですし、愛の雫だって、私は正式に孝おぼっちゃまから受け取った訳ではありません」

 「え、そ、そうなの?と、いう事は、え?どういう事?」

 予想外の展開に、理奈は頭が混乱しているみたいだった。

なので俺は今回の一件をざっと説明する事にした。



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