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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た3  作者: 椎家 友妻
第四話 ミナ高侵入作戦
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2 お茶目に告白

 ()()さんはそう言って俺の方を見た。

それを見た理奈(りな)も俺の方に振り向き、刺すような口調で言った。

 「何であなたが愛の(しずく)を持っているのよ?」

 それに対して俺は、ひきつった笑みを()かべて頭をかきながらこう返す。

 「いやあ、まあ色々ありまして、結果的に俺の手元に転がり込んできたと言いますか・・・・・」

 「まあいいわ。とにかくそういう事ならさっさと愛の雫を返しなさい」

 「いやあ、それが・・・・・・」

 「何よ?まさかこの()に及んで沙穂に肩入れしようって言うんじゃないでしょね」

 「いやいや、そういう訳じゃなくて、そのぉ・・・・・・」

 「何なのよ?ハッキリしなさいよ」

 そう言って俺の顔を(のぞ)き込む理奈。

対する俺はうつむいて黙り込む。

 どうしよう、ピンチだ。

 ここで正直に白状したら、俺はどうなるんだろう?

笑って許してもらえるだろうか?

まあ、それは万にひとつもないだろうな。

となると、俺は一生王本(おうもと)の屋敷で奴隷(どれい)としてタダ働き?

それとも命をもって(つぐな)えとか?

 うぁあっ!

どう転がっても地獄(じごく)だ!

 するとそんな中、抑揚(よくよう)のない声で美鈴(みすず)が俺に言った。

 「もう正直に白状すれば?ここで(かく)してもいずれバレるんだし」

 「う、う~ん・・・・・・」

 や、やっぱり白状するしかねぇか。

俺が愛の雫を無くしたのは(まぎ)れもない事実だしな。

よし!言うぞ!

 覚悟を決めた俺は、精一杯の笑顔を浮かべて言った。

 「あの、愛の雫なんですけど、実は・・・・・・」

 「実は、何よ?」

 と理奈。

それに対して俺は、目一杯お茶目な感じでこう続けた。


 「なくしちゃいました☆テヘッ☆」


 ・・・・・・が、それに対する理奈のリアクションはこうだった。


 「な、な、何ですってぇっ⁉」


 まあ、どれだけお茶目に言ってもこうなるわな。

そして理奈は俺の胸ぐらを(つか)み上げて声を荒げた。

 「無くしたってどういう事よ⁉あなた自分がやった事分かってるの⁉」

 「いやあ、これには色々と事情がありまして・・・・・」

 「言い訳なんか聞きたくないわ!それよりどうするつもりよ⁉

あれは王本家に代々受け継がれてきた家宝!

あなたが何年も働かないと(かせ)げないくらい高価な物なのよ⁉」

 へぇ~、そりゃあ大変だなぁ。

 と、もはや他人事のように思っていると、美鈴が強い口調で言った。

 「だから今、一生懸命(いっしょうけんめい)あちこち探しているのよ!」

 「探すって何処(どこ)をよ⁉」と理奈。

これには俺が答える。

 「俺達が通ってる学校ですよ。多分、そこで無くしたんで」

 すると理奈は(かん)(ぱつ)いれずにこう言った。

 「じゃあ私もあなた達の通う学校に行って探すわ!」



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