表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た3  作者: 椎家 友妻
第三話 消え去ったアレ
39/73

15 美鈴、乱入

 理奈(りな)の言葉に、もう勘弁(かんべん)ならないという様子の美鈴(みすず)が台所から出てきた。

すると理奈は美鈴の方を(にら)んでこう返す。

 「何よ、部外者は引っ込んでなさいよ」

 それに対して美鈴。

 「そんなの関係ないわ!さっきから聞いてたら言いたい事をズケズケと!

()()さんの事をそれ以上悪く言うのは私が許さないわよ!」

 「はぁっ⁉一般庶民(しょみん)が私に意見しようって言うの⁉ふざけるんじゃないわよ!」

 「ふざけてるのはあなたでしょ!」

 「何ですってぇっ⁉」

 そして視線の火花を散らす美鈴と理奈。

もう今にもとっくみ合いの喧嘩(けんか)でも始めそうな雰囲気(ふんいき)だ。

正直言って、怖い。

 するとそんな二人の間に、矢代(やよ)先輩と浜野(はまの)さんが(あわ)てて止めに入った。

 「みっちゃん落ち着いて?こんなところで喧嘩なんかしたらあかんて」

 「そうですよ理奈お嬢様。沙穂さんは知らないとおっしゃっているんですから、ここは大人しく帰りましょう」

 更には台所に隠れていた小宵(こよい)ちゃんも、勇気を振り絞って茶の間に足を踏み入れ、震える声で口を開く。

 「け、喧嘩はっ、よくないとっ、思いますっ」

 すると理奈は「フンッ」と(つぶや)いて(きびす)を返し、

 「これで(あきら)めたと思わない事ね!」

 と吐き捨てるように言い、そのまま食堂を出て行った。

 「あ、お待ちください理奈お嬢様!」

 浜野さんも慌ててその後に続き、

 「皆様、理奈お嬢様の数々のご無礼、どうかお許しください」

 と俺達にペコリと頭を下げて出て行った。

 「まったく!一体何なのよあいつ!」

 まだ怒りがおさまらない様子で、美鈴は腕組みをしながら言った。

それに対して沙穂さんが申し訳なさそうに言う。

 「ごめんなさいね。彼女は(たかし)おぼっちゃまの幼なじみで、(おう)本家(もとけ)(かい)亜家(あけ)旦那(だんな)(さま)が決めた許嫁(いいなずけ)

だから私に、孝おぼっちゃまを盗られたんだと思い込んでいるのね」

 「あの子、まだ(あきら)めへんって言うてたけど、またここに来るつもりなんやろうか?」

 「その可能性は大いにありますね」

 矢代先輩の言葉に俺がそう答えると、美鈴が俺の方に向き直って言った。

 「これは早いところ愛の(しずく)を見つけ出さないと、益々(ますます)面倒な事になるわよ」

 「う、それは、分かってるよぉ・・・・・・」

 たじろぎながら答える俺。何だか知らねぇけど、また面倒な事に巻き込まれちまった。

果たして俺は愛の雫を見つけ出す事ができるのか?

そしてもし、見つからなかった時の俺の運命は?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ