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6 学校へ急げ!
翌日、俺と美鈴はいつもより三十分くらい早く沢凪荘を出て、一緒に学校へ向かった。
沢凪荘を出る時に沙穂さんや矢代先輩に随分冷やかされたが、今回はそんな事気にしてられない。
俺達は一刻も早く学校へ行って、そこに落としたかもしれない愛の雫を探し出さなくちゃならないのだ。
ちなみにこの事はまだ小宵ちゃんには内緒にしている。
言ったら彼女に余計な心配させるだけだからな。
小宵ちゃんの為にも、絶対に探し出さねぇと。
俺はそう決意を固めながら、自転車をこぐ足に一層力を入れた。




