3 これは夢の続き?
と、いう所で、俺は目を覚ました。
つまり今までのあれは、全部夢だったのだ。
ちゃんちゃん。
いや~、でもよくよく考えたら、あんな事が現実である訳ねぇんだよな。
それに前回と前々回もプロローグは夢落ちだったじゃねぇか。
今回もそのパターンだったんだよ。
うんうん。
ホッとひと安心した俺は、そう納得して上半身を起こした。
そしてひとつ大きなあくびをし、おもむろに両手を床についた。
すると、その時だった。
むにゅっ。
俺の両手に、何やらとても柔らかくてプニプニした何かが触れた。
はて?
これは何だ?
と思いながら、俺はまず右手に触れたそれに目をやった。
すると、何とそこに、
俺の右隣に寝転んだ、矢代先輩のお乳があった。
「はうぁっ⁉」
何でこんな所に矢代先輩のお乳が⁉
俺は間髪いれずに左手に触れたそれに目をやった!
すると、何とそこに、
俺の左隣に寝転んだ、美鈴のお乳があった。
「はうぁああっ⁉」
俺は一瞬呼吸が止まり、頭の中が真っ白になった。
な、何だこの状況は⁉
何で俺の掌に美鈴と矢代先輩のお乳が触れているんだ⁉
いや、むしろ俺が触っている事になるのか⁉
ていうか何で俺の部屋でこの二人が寝てるんだよ⁉
と、その時、俺はここが自分の部屋ではなく、沢凪荘の食堂である事に気が付いた。
そして同時に、ある重大な事実に気が付いた。
さっきのあれって、夢じゃなかったんだ・・・・・・。
そうか、確か夕べはここで矢代先輩の誕生パーティーをやって、沙穂さんが用意したオレンジ色の液体のせいで皆おかしくなっちまったんだ。
ん?でもちょっと待てよ?
そんな事はさておき、今のこの状況は俺にとって物凄くヤバイんじゃないか?
もしここで美鈴や矢代先輩が目を覚ましたら、俺は寝ている女の子にイタズラする変態野郎とカン違いされるじゃねぇか。
と、思ったその時だった。
「何してんのよ、あんた」
俺の左隣から、殺意に満ちた美鈴の声が聞こえた。
その声に俺は、ゆっくりと美鈴の方に振り向いた。
するとそこに、それはそれは恐ろしい顔をした美鈴の姿があった。
しかも俺の掌はまだ美鈴のお乳にタッチしたままである。
なので俺はその左手を美鈴のお乳から離し、努めて爽やかな笑みを浮かべてこう言った。
「おはようございます美鈴さん、とても爽やかな朝ですね」
それに対して美鈴は、爽やかさのカケラもない口調でこう返す。
「あんた、私が眠っている間に、一体何をしていたのよ?」
「ち、違うんだ!これには色々事情がって、てっきり夢だと思っていたら、実は夢じゃなくて、しかもこんな事にまでなってしまって、でもこれは完全な不可抗力で・・・・・・」
「この期に及んで言い訳するもり?」
「違うって!とにかく落ち着いて話しあおうぜ!な⁉」
俺は必死にそう訴えたが、美鈴はゆっくりと上半身を起こし、何のためらいもなく俺の頬にビンタをぶちかました。
ぶゎちこぉん!