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沢(さわ)凪(なぎ)せ女(にょ)り~た3  作者: 椎家 友妻
第二話 言伝の真相
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10 待ち構えるメイド長

それは背が高い女の人で、小宵(こよい)ちゃんと同じメイド服を着ている。

歳は()()さんより上な感じで、(するど)い目元に眼鏡をかけていた。

そしてその人物はまるで俺と小宵ちゃんを待ちかまえるように、玄関の前で仁王(におう)()ちしていた。

 「うっ・・・・・・」

 それを見た小宵ちゃんが、小さく声をあげて気まずそうな顔をする。

その小宵ちゃんに、俺は小声で話しかけた。

 「もしかしてあの人がさっき言ってた、小宵ちゃんがよく叱られるメイド長さん?」

 「・・・・・・はい」

 やっぱりか。

パッと見た感じ、ハ○ジに出てくるロッ○ンマイヤーさんみたいな雰囲気(ふんいき)だもんな。

 そんな事を考えているうちに、俺と小宵ちゃんは屋敷の玄関の前にたどり着いた。

するとそこに居たメイド長の人が、小宵ちゃんを鋭く(にら)みつけて言った。

 「ふた(ばん)も屋敷に帰ってこないなんて、随分(ずいぶん)遠くまでお使いに行っていたのね」

 「あ、あの、申し訳、ありません・・・・・・・」

 小宵ちゃんはメイド長に深く頭を下げてそう言った。

それに対してメイド長は、右手の人差指でクイッと眼鏡をかけなおしてこう続ける。

 「(たかし)おぼっちゃまの言いつけとはいえ、(おう)(もと)家のメイドとして到底(とうてい)許される事ではないわね。

一体あなたは何処(どこ)で何をしていたの?」

 「そ、それは、申し上げる事はできません。

孝おぼっちゃまに、その様に(おお)せつかっていますので・・・・・・」

 「フン、大層なご身分だこと」

 小宵ちゃんの言葉にメイド長はトゲのある口調でそう言った。

何か、見るからに怖そうな人だな。

しかもちょっと性格もイジワルそうな感じだ。

 と思いながら(なが)めていると、そのメイド長は俺の方を見やって言った。

 「小宵、この方はどなた?」

 「あ、ええと、孝おぼっちゃまの・・・・・・お知り合いの方です」

 「孝おぼっちゃまの?こんな庶民(しょみん)的な身なりの人間が?」

 露骨(ろこつ)に疑いの表情を浮かべるメイド長。

まあ実際孝さんの知り合いだなんて嘘なんだけど、ここでそれがバレるとすぐに追い返されそうなので、俺も咄嗟(とっさ)にこう言った。

 「俺、稲橋(いなはし)(せい)()っていいます。孝さんとは、え~と、ち、竹馬(ちくば)の友です!」

 勢いに任せてバレバレのデタレメを言ってしまった。

するとメイド長は一層(いっそう)鋭い目つきになって俺に言った。

 「私はこの屋敷でメイド長を務めている辰巳(たつみ)幸江(さちえ)と申します。

ちなみに私は孝おぼっちゃまが幼いころからお(つか)えしておりますが、あなたのようなお知り合いは記憶にありません」

 はうぁっ!

やっぱり完全にバレバレだった。

俺はここで追い返されちまうのか?

と、覚悟したその時だった。

 「どうしたの?」

 と、メイド長の幸江さんの背後から、若い男の声がした。



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