3、恐怖!現地人?現る!
――sideアルピナ――
「うわぁ~!いい天気ねぇ~。」
はい!現地上空に来た女神アルピナです。
こちらは燦燦と降り注ぐ日の光と雲一つ無い青空。
海はとぉーっても穏やかで、バカンスを楽しむには最高の良い天候でーす!
って違う違う!
何であのでっかい積乱雲無くなってんのー!?
何人も近寄れないように雲捕まえてはこねてこねてこねてこねて……頑張って作ったのにぃー!!!
それに島にあるでっかい影!邪龍王グラシャナンチャーラじゃない!!!
やっぱあの邪魔龍がこの力を放出してるっていうの!?
ん?でもアイツなんか全然動かないんですけど……?
「いったい……何がどうなっているの……?」
「わ……わかんないけどぉ~もう気絶しちゃいそうだよぅ~……」
「上空2000mはあるというのに……凄まじい力じゃ……」
ユーリスは涙目で足ガタガタ震えてるし、モリス爺は顔色真っ白だし……ポックリ逝きそうだわ……
上級天使のアファルとラファルに関しては最早話す事も出来ず、全身でガクブル状態……
はぁ……でもこれは間違い無く神力ね……昔遠くから、大女神エル・シャダイ様のご尊顔を拝した時の感じに似てるわ……
あぁ……でもどうしましょ……私も怖くて動けないわ……
あぁもう!貴方達チラチラ見ないで!何でも私に押し付けないでなんとかしなさいよ!!!
と、私が心の中で葛藤してるその時。
今まで充満してた神力とは別の力が膨れ上がったのよ……!?
その力に中てられ、失神寸前だった配下4人が、完全に意識を奪われ、島に向かって墜落していった……
「あなた達!!!」
咄嗟に身体が動き、全速力で4人を追いかける私。
でも、島に近づくにつれ、強まる力の前に、私の意識も薄れていったのよ……
――side????――
「あーココさんの腕どーすっかなぁ……」
「取り敢えず、別の布で代用するしか無いでござろう?ほれ其処にあるじのバンダナがあるでござる。」
「こんな燃えカス付けたら可哀そうなんだが……あ!いいの持ってる!」
たしか収納空間の中に放り込んだはず……あったあった!
「バンダナ鉢巻きにするのが面倒でゴム入りのを作ったんだが、ピシっと巻けなくてお蔵入りしたのがこれだ!」
見た目はまんまシュシュ?ってやつ?これをココさんの右腕に……あら可愛い。
ココさんもなんとなく、喜んでるように見えた……
「しかし、見事に何もかも吹っ飛ばしたでござるな……」
「島の中も周辺の海の中も雲も……見事に吹き飛んだな……動植物も微生物すりゃ消えちまった……てへ。」
「あるじは力を出し過ぎでござる。」
「ええー大分抑えたってばよ!?」
「いいえ。あるじは大雑把すぎるでござる。例えばこの世界だとこんな感じに……」
そう言って力を開放するハンゾウ。
湧き上がる力は気流を生み、周辺に風が吹き荒れる。
だが俺みたいに吹き飛ばす程では無い。だが……
「でも誤差の範囲じゃね?暴風か強風かくらいの違い?」
「でもその誤差がこの状況でござる。そこをちゃんとしないと、其のうちあるじは星世界丸ごとぶっ壊すでござるよ。」
むぅ……正論すぎて何も言い返せない……ハンゾウのくせにハンゾウのくせにハンゾウのくせに……
力の制御実演講座を終えたハンゾウが自身の力を収束させてるその時。
ドドドドーーーーーーーン!!!
ひぇ!?今度はなんだってんd――
ドーーーーーーーーーーン!!!
母ちゃん……黙って異世界さ来てごめんよ……
母ちゃん……異世界さ来たらいきなり攻撃されてるだぁ……
母ちゃん……今、おらに直撃しちまっただよぉ……
母ちゃん……おらぁ、生まれ変わったら花さなりたいだぁ……むにゅむにゅ……
むにゅむにゅ?
「おやおや、あるじは全裸な上に女性を抱いて、しかも揉みしだくとはとんだスケベなスケコマシ野郎でござるな。」
ん???俺の上に覆いかぶさってるモノを良く見ると、それは白い衣服を着た、金髪のぱいおつかいでー美女。
「うわぁぁぁ!?」
勢いで放り投げてしまった……
「女性への扱いがなってないでござる。」
ハンゾウ怒りのチョップを頭に受ける……へーいすいません。
「悪い悪い……パニくったわ。うん。まぁデカかったぞ。」
「ラッキースケベは主人公必須属性でござるからな。」
「そんな属性いらんわ!」
「でもこの5人の御仁達は何者でござろう?皆気絶してるだけのようでござるが……」
「んーまぁこの力場で気絶で済んでるって事は……やっぱ神族なんだろうなぁ……」
「そりゃ、これだけ力を出せば目を付けられるでござるな。」
「ひっそりこっそりしたかったんだが……」
「バレちまったもんは仕方ないでござる。ほれ、さっさと起こして友好的に話つけるでござるよ。」
俺とハンゾウは、俺が投げ飛ばした女神(仮)に近づく。
仰向けに倒れてる女神(仮)は金髪でないすばでーな綺麗な顔立ち。まさしくザ・女神な感じ。
大体、神だ女神だーって意味もなくキラキラして美男美女で、男なら大きさの違いはあれどマッチョだし、女はほぼボンキュッボンだし、俺から言わせたらそんなのただの没個性だし――まぁいいか……
2人して女神(仮)の頭付近に腰を下ろす。
取り敢えず、頭を2人で突っつく。
「むにゃむにゃ……ごはんおかわり……ぐぅ……」
「あ、分かっちゃった……これポンコツだ!」
「寝言が残念すぎるでござる……」
「まともな会話できればいいけど……まぁ起こすか。」
俺は指先にちょっぴり力を籠める。
指の先には直径2m程の水の塊が生まれた。
つつぃ~っと、その水塊を女神(仮)の上に移動させ……
バッシャァァァァァァン!!!
「きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!なに?なにが!?げぇっほっげほげほっ――!」
「あるじは加減を知らぬでござるか?」
女神(仮)はびっくりしたのか急に起き上がったかと思ったら、水が器官に入ったのか上体を捻ってうつ伏せになり咳込んでいた。
うん。ちっと大きかったかもしんない……
そのうち、俺達の存在に気付いたのか、女神(仮)がガバっと顔を上げた。
「◎△$♪×¥●&%#?!」
何に驚いたのか、猛スピードで後ろに駆け出す女神(仮)。
あ、爺さんみたいな人に躓いてコケた……
「おーいどうしたー?話通じるかー?」
「いつつ……あんた達!なんでフリチンでヤンキー座りしてんのよ!?あう……」
キっと睨みつけて文句をたれる女神(仮)。口悪いな……
「確かに着忘れたでござる……」
「でもモザイク入れてるしな。つかアイツまた動かなくなったぞ?」
「う……動けないのよ!何であんた達は……こんな所で……平気でいられるのよ……」
ん?こんな所って何も問題ないが???
「あるじ。バンダナしてないでござる……」
「あ、いやんはずかしい。」
収納空間から慌ててバンダナを取り出し着けてみた。
うん落ち着くね。
そして俺の力を収束させる。が、あえて半分程そのままにしてみた。
「ん?どうゆう事でござるか?」
「いや、ちょっとティンっと閃いてね。」
「サッパリ分からぬでござるが、程ほどにしとくでござるよ」
力を収束したお陰か、のそのそと動き出す女神(仮)。
まだプルプルとしているが、ゆっくりと立ち上がり、俺達を見て、
「さっき「いやんはずかしい」って言ってたでしょ!?パンツ穿きなさいよ!!!」
絶叫した。
すでにストックが無いです… ボチボチ書きます…