表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
強肩強打の凄い奴  作者: 白井雪男
中学3年生
10/13

雪菜とのデート




中学の卒業式が終わると、高校の練習に参加することができる3月下旬までの3週間、暇を持て余すことになる。そんな中、俺は雪菜とデートすることになった。




「おはよ、健ちゃん」


「ああ。おはよう、雪菜。準備遅いな」


「だってせっかくの健ちゃんとのデートだもん。そりゃ準備に時間かけちゃうよー」




俺は雪菜を迎えると基幹バスに乗り、およそ1時間かけて名古屋駅周辺まで足を伸ばした。雪菜は春らしく、白のワンピースとピンクのカーディガンを羽織り、雪菜の綺麗な長い黒髪とよくマッチしている。




俺たちは、今話題の映画を見ることにした。この映画は少女漫画が原作で、雪菜も原作の漫画を持ってた気がする。映画の感想はただ良かった、感動した。これに尽きる。そして雪菜は感動のあまり泣き出していた。しかも、「健ちゃん。私、この映画に感動したよ、感動したよ…」と何度も言っている。


映画を見終わってからは、ファミレスに行き昼食を食べる。俺はステーキセットを、雪菜はパスタとピザを注文した。昼食後はカラオケ店に入った。結局3時間くらい歌ったのだが、最後に雪菜から「これ私と一緒に歌ってよ」と言われたので雪菜と一緒に歌うことになった。で、その歌うことになった歌が…




「とっとり~走るよナシ太郎~さきゅーを~走るよナシ太郎~だーい好きなのは~(はいせーの!)にじゅせーきなし~(オレもー!)やっぱり~走るよ~ナシ太郎~(タイガー、ファイヤー、サイバー、ファイバー、ダイバー、バイバー、ジャージャー)」




『とっとりナシ太郎』。鳥取県を舞台に、梨の形をした動物と人間の子供が絆を深めていくアニメである。放送開始から約20年経った今でも人気の歌で、アニソンランキングでは常に上位だ。…しかし、なぜ雪菜がこの歌を歌いたいと俺に言ったのは不明である。




そして最後は2人でプリクラを撮って帰宅した。流石にチューはしなかったが、お互い手を繋いだ写真、そして2人でハートの形を作った写真はまさにカップルそのものだ。我ながら見てて恥ずかしい物がある。




「これ言うのもアレなんだけど、我ながら見ていても恥ずかしいと思うの。どう考えてもカップルにしか見えないよね…」




雪菜もそう思っていたらしい。そして帰宅。季節は春、だいぶ陽が落ちるのも遅くなった。…しかし、クタクタだ。そもそも雪菜とデートらしいデートをするのも初めてだしな。いろいろ疲れた。野球の練習よりキツいかもしれない。




「今日は楽しかったよ!健ちゃん、おやすみ」


「ああ、俺も楽しかった。ゆっくり休めよ、雪菜」




俺と雪菜はお互い別れの挨拶をし、それぞれの家に帰宅する。まぁ、お互いの家が隣同士だから、その気になったらすぐ会えるんだけどな。しかも窓伝いで、お互いの部屋からその気になれば飛び越えれるし。




そして、最後に雪菜が俺へ最高の笑顔を見せてくれたのは言うまでもない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ