表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/87

18 戦闘開始

「まずは、オティーヌ王国の城下町に向かおう」


 精霊の里の偽装魔術が作用するその限界地点。


 静かで薄暗い森の中で、僕は次の目的地を決めた。


 恐るべき万能魔術の使い手、リリカの襲来でそれどころではなかったが、あの賞金稼ぎギルトの女店主が話していたことを思い出す。彼女によると、彼らは長年リーバイン神皇国と争ってきたオティーヌ王国からやってきた。


 リリカが向かったであろう『影』の本拠地であるオティーヌ城も考えたが、もしかしたら有益な情報を持って帰ってきてくれるかもしれない。まずは、『影』に支配されたオティーヌの国情を知ることも悪くないはずだ。


 森から外へと歩き始めると、偽装魔術がいつの間にか消え去った。


 そこはただの草原に戻っていた。


 すこし草原から歩いたあたりで、僕は懐から巻物を取り出す。


 数歩後ろを共に進んでいるシャルとロラマンドリへと振り返り、


「この草原を抜けたら、どこかで休憩して解析の結果を――」

「ユーリィ!!!!」


 声をかけた瞬間、シャルの口から悲鳴が上がった。


「え?」


 何かが、空を切り裂いた。ゴウッ! と風を切る音がする。


 その刹那、振り返った僕の視界の先、二人の少女の背後で。


 激しい爆発が生み出された。


「ぐあああああああ!!!!」


 僕は、灼熱の爆風で後方に吹っ飛ばされる。


 ゴロゴロゴロと、草原を転がり、ようやく止まったと思ったときには、草原一面が火の海と化していた。


 なんなんだ、これは!?


 一体、何が!!


「シャル! トカゲさん! どこに――!?」


 急いで辺りを見回すと、二人の少女も爆風で吹き飛ばされたのだろう、遥か遠くで倒れている姿が確認できる。


 幸い、まだ火の手はあの辺りにはかかっていなかった。


 これは……!!


 なんなんだ、これは!!


 一体、何が……!!


 ……。


 ……いや。


 待て。


 これは。


 この光景は。


 ()()()()()()()


「……この感じ……覚えがある……」


 僕は独り言ちる。


 何度か、僕は経験してきたじゃないか。


 今の感覚は、初めてじゃない。


 この、まったく意味がわからずにやってくる、圧倒的な破壊。


 しかしだからこそ。


 ()()()()()()()()()()()()()()


「これは……()()()だ」


 そうだとしたら……。


 つまり僕らは、何らかの方法で、


「ずっと、見張られていた――?」


 まさか、リリカさんが呼び寄せたのか?


 いや、そんなはずはない。


 彼女は魔術具を持っていない。あれはシャルが持っているから、そんなことはできないはずだ。それに、彼女のコテージでの決断。あのときの様子から考えても、ありえないと思える。


 ――今はそれどころじゃない!!


 僕は立ち上がり、急いで火の海と化した草原を駆け抜ける。


 遠くで倒れていたロラマンドリとシャルを渾身の力で抱え込み、


「ぐ、おおおおお!!!!」


 そして、倒れていたその先、ゆるい傾斜となっていた下り坂の草原へと転がり落とす。


「きゃ……!」

「人族……!!」


「僕から離れてください!! できるだけ遠くに!! 逃げて!!」


 叫んでいるうちに、再びの飛来の気配がする。


 今度は、敵の狙いは外れなかったようだ。


 爆発。


 灼熱が直撃した。


 僕の肉体が、おもちゃのように吹き飛んだ。


 激痛。


 そして意識の喪失。


 消える意識の直前、吹き飛ぶさなかに、自分の四肢がバラバラになったのが見えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ