13 復活の魔王
――「あ、あなた……」
――「私たちは、絶対に、手加減、しない」
――「そ、それを返せ……!!」
――「地獄で会いましょう」
――「返せええええええ!!」
――「人族が……よくぞここまで……」
あのとき。
僕が『影』によって閉じ込められた石の柱から、転がり出てきたとき。
「まったく!! どいつもこいつも!!」
朦朧とした意識の中で、どうにか状況を掴んで、僕はやるべきことをした。
薄れゆく感覚の中、強い意志を持って、ただただ念じた。目がチカチカするほどに。
炎よ、消えろ。
刹那。
離れた場所で、青毛の『影』を燃やしていた黒い炎が消失した。
プスプスと炎が燻る中、黒焦げの『影』が、かろうじて息をしているのが見えた。
そして、すぐに駆け付けてくれたトカゲさんに、頼み事をした。
「……彼女は……生かしてください」
「なに?」
「……他の『影』の情報を……引き出すんだ……あと、絶対、シャルを、死なせないで……」
そうして僕は気を失った。
次に目覚めたのは、精霊の里の植物製ベッドの中だった。
* * * * *
「手土産もきちんと持って帰ってきたぞ。貴様から渡すがよい」
「……ありがとうございます」
ロラマンドリさんの粋な計らいに、僕は思わず笑みを溢す。鏡を見なくてもわかる。きっと今の僕の顔は……邪悪に染まっているはずだ。
「さあ、復讐の時間だ」
ここまで読んでくださってありがとうございました。
書き溜めていたものは以上になります。
これからまた続きを執筆していきますので、毎日更新の連載はいったん休止となります。
申し訳ございません。
連載再開は、4月下旬から5月上旬ごろを予定しています。
読者の皆様、よろしければ頭の片隅にとどめておいていただけますと幸いです。




