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1 秘宝収集

 

 シルヴィア城の地下牢から続く宝物庫への道は、地下ダンジョンと呼ぶべきものだった。


 おそらく古来より盗賊や遺跡荒らしの類いに頭を悩ませてきたからだろう。

 王と共に地下に潜り続ける聖騎士アヤメ。


 その後ろには、何十人というシルヴィア兵士が付き従う。


 なにがしかの加護が付与されているのだろう、王が歩む途中の回廊で、罠や障壁は現れなかった。


 ダンジョンを潜り続けること数刻。

 ついに、シルヴィアの紋章によって大規模な封印を施された巨大な扉の前にたどり着いた。


「この奥に、我が国の神器が納められておる」


 アヤメは、目を細めて封印を凝視する。うっすらと、何重にもかけられた魔術の鎖が見て取れる。

 シルヴィア王は苦虫を噛み潰したように続ける。


「じゃが、いかなおぬしでもここに入ることはできん。なぜなら、先代の王の急死によって、宝物庫の封印を解錠する魔術が、永遠に失われてしまったからじゃ。我らの代でも長きにわたり解析を進めているが一行に――」


「術は必要ない」


 そういうと、アヤメは数歩下がって、腰に帯剣したエクスカリバーを右手で引き抜いた。


 そして、静かに一閃する。


 剣は虚空を切っただけだ。


 しかしその剣戟の残像が、虹色の残像となって封印の扉に向かい激突した。


 扉自体は傷一つついていなかった。


 代わりに、封印魔術がはじけ飛ぶ。


「これは……!!」


 なにが起こったのか、王だけは理解できたのだろう。驚愕の声をあげるが、背後の兵士たちはキョトンとしたままだった。


「ありえぬ……我が国一の魔術師ですら解術できなかったものが――!」


「いっただろう。俺は選ばれし者だと」


 ほくそ笑むアヤメ。


「さあ、中に入りオリジンセルをとってこい」


 そして、ひとりごちる。


「オティーヌで1つ、リーバインで1つ。これで、3つ目……」


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