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4 闇の神の力 その④

 

「いやあああああああ!!」


 真っ二つに引き裂かれ、地面に崩れ落ちたユーリィの隣で、シャーロットの悲鳴がこだまする。


 その悲劇を生み出した銀色の騎士レオニズムはしかし、流水のように涼しげな顔立ちのまま、三つ編みおさげ少女の腕をとって拘束する。


「あなたのような美しい方も、魔族の仲間になるのですね」


「いや、やめて!! ユーリィ!! ユーリィ!!」


 錯乱する彼女は、亡骸となった少年に向かって叫び続ける。


「……」


「あぐっ!!」


 レオニズムがその怜悧な表情のまま、無言でシャーロットをぶん殴った。


 地面に倒れた少女は血を吐き、気を失った。


「こうしたほうが、拘束するよりも手間がかかりません。アーシア神様を信じぬものなぞ、塵芥(ちりあくた)に過ぎませんから」


 銀色の騎士は周りの衛兵に向かって指示を出す。


「簡易牢まで連れていけ」

「はっ!」


「野良の魔族か、あの忌まわしき『影』の一味か……まずは容赦なく拷問を行い、洗いざらい吐かせましょう。手がかりが得られるなら、生死は問いません」


 まるで神父が子供に勉強を教えるような慈愛に満ちた声音で語る銀色の騎士。


 その端正な面持ちには一遍の曇りもなかった。


 そんな彼の背に、



「や……めろ」



 重く静かな言葉が放たれる。


「……なに?」


 レオニズムが声の主を辿る。


 それは両断され無残に転がった死体、その上半身からだ。



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