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25 闇の神との契約 その④
神の召喚が終わり、地下の儀式場には静寂が訪れた。
「約束は果たしたわよ」
すでに消えてしまった魔法陣があったその向こう側。
魔女と肩のトカゲが声をかけてくる。
「気に入られてよかったなあ、ヒッヒッヒ」
幼馴染の少女は神妙な顔で立ちすくんだままだ。
その足元には、引きちぎったアーシア神像が落ちている。
僕はもう後戻りできなくなったことを今更悟る。
黒い炎。
あらゆるものが燃え尽くされていく。
僕が見る世界も、
身体も、
心も、
その全てを。
突然現れた、謎の黒いフードローブたち。
家族を殺した、仇。
僕は、かならずヤツらを討つ。
この、闇の力で――。