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四天王最弱の男の苦悩

作者: 僧侶A

私は魔王様に使える四天王の1人です。


数多くの部下を従えて日々魔族のために奮闘する日々を過ごしております。


直接私が仕事をすること自体は無いのですが、部下の管理がとても大変です。


原因は一つで、部下が言うことを聞かないのです。


理由はよく分かっています。私が四天王で最弱だからです。


部下の数は四天王の中で一番多いのですが、その理由が他の四天王の方々が部下をほとんど必要とせず、全てを私に丸投げした結果だからです。


仕方なく私の管轄にいる人がほとんどなのです。


ほぼ全員が好き勝手に行動しています。中には私を倒すなんて余裕だと勝負を挑んでくる人間もいます。


一応四天王までのし上がってこれているわけなので負けることは無いのですがね。


そもそも私をなめてかかってくる奴は四天王最弱という不名誉な称号だけにとらわれてくる身の程知らずくらいですし。


この現状はどうにかしないといけませんね。訓練して強くならねば。


私がどうにかなった時のために部下だけでも仕事を回せるようにしていますし問題ないでしょう。


一応魔王様に報告して、訓練のために数多くのドラゴンが生息している山に向かいました。


私の戦闘スタイルの都合上ドラゴンを相手するのは苦手です。


地上で拳だけで戦うので空を飛ばれたらジャンプして当てにいくくらいしか出来ません。


空中戦が出来ないのが致命的な弱点なので改善するのが目的なわけです。


にしても相変わらず数が多いですね⋯⋯20匹単位で行動するドラゴンってドラゴンとしてどうなんでしょうか⋯⋯


私はこんな地域で1年間修行をしました。ドラゴンを倒しドラゴンの肉を食って生きる。そんな日々を過ごした結果、空中戦をどうにかする手法を手に入れました。


斬撃を飛ばす要領で拳を飛ばして当てる遠距離攻撃。


そして空中を蹴り地面のように移動する技術。


この二つを手に入れた私にはもう隙なんてありません。


私は意気揚々と帰りました。そして私は四天王に勝負を挑みました。


結果は見事勝利。私が四天王で最強になったのです。


これで修行前の日々とお別れだ。そう思っていました。


しかし実際のところはあまり変わりませんでした。いや、むしろ悪化しました。


四天王最強になったことで今までしていなかった類の仕事を任されました。そして今までの仕事もそのままです。


部下のやる気は向上したのは良かったのですが、他の四天王目当てではなく、私目当てでやってくる人が増えたせいで部下の増えるスピードは一切変わりませんでした。


そして極め付けは私に挑んでくる人です。腕に自信がある人が最強の称号を得るために挑んでくるようになりました。挑んでくる人々が強くなってしまいました。そして四天王まで定期的に勝負を挑んできます。


頑張って強くなった結果、むしろ忙しくなってしまいました。


ああ、本当に辞めたい。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 淡々とした文章から心情が伝わって来ました。主人公の苦悩は何らかの形で続くんでしょうね。
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