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愛犬が怪我をして悲しんでいる女性

人助けその7

「じゃあ今夜も早速人助けに行こうかー」


「クリームシュカ、最近は吸血鬼ハンターが静か過ぎます。気をつけて行きましょう」


「わかったわかった。リーンカは心配性だなー」


「私が心配性なのではなく、クリームシュカが油断し過ぎなんですよ」


「えー?そんなことないよー」


「敵に見つかったら本気出してくださいよ」


「えー?」


とりあえず、クリームシュカの背中に乗っかります。クリームシュカの無駄に早い足と無駄にいい嗅覚で怪我を負っている人を探します。


…早速今日の困ったさんを見つけました。なにやらわんちゃんを抱きしめて泣いています。


「こんばんは。なにかお困りですか?」


「こんばんはー。もしよかったらお手伝いするよー」


「そんなことを言われても、もう助からないわよ…えっ!?」


ああ、早速怖がられてしまいました。まあそりゃあそうですよね。みんな最初は驚くものですし。


「大丈夫ですよ。クリームシュカは人間が大好きで、人間と仲良くなりたい一心で夜中人助けして回るほどのお人好しなのですから」


「…クリームシュカ?何処かで聞いたことがあるような気がするわ」


「あ、本当ー?ふふふ。嬉しいなー!リーンカ、僕達有名人だってー!」


「そうですか。それはよかった。改めてはじめまして。私、アデリナ・クドリャフツェフと申します。気軽にリーンカとお呼びください」


「改めてはじめまして。僕はクリメント・スミルノフ。気軽にクリームシュカと呼んでねー。」


「…あの、本当に助けてくださるんですか?」


「ええ、もちろんです。さて、貴方は何にお困りですか?」


「私の可愛いミローチカが馬車に跳ねられて…もうダメみたいなの…でも、魔族の貴方ならなんとか出来ませんか?お願いします、なんでもしますからミローチカを助けて!」


「なるほどねー、わかった!やってみる!」


クリームシュカはそういうとミローチカちゃんの体に魔法を使い、細かな傷口はぺろぺろと舐めて治してあげました。


「これでよし。…うん。ミローチカちゃんはもう大丈夫だよ!」


「え?ほ、本当に!?」


ミローチカちゃんは立ち上がります。おお、見事に動けています。


「よかったー。もう大丈夫だね!でも、これからは気をつけてあげてね!今回は間に合ったからいいけど、死んじゃったり大きな後遺症があったらどうにもならないからさー」


「あ、ありがとうございます!ありがとうございます!よかった!ミローチカ!」


ミローチカちゃんも嬉しそうに尻尾を振っています。よかったよかった。


「ありがとうございます、貴方方はミローチカの命の恩人です!」


「どういたしましてー!本当に間に合ってよかったねー!」


そういうとクリームシュカはミローチカちゃんの頭を撫でてあげます。


「なんでもしますなんてクリームシュカ以外の魔族に言ってはいけませんよ。あと、出来れば良い吸血鬼としてクリームシュカの噂を流してあげてくださいね。クリームシュカは人間と仲良くなりたいのです。よろしくお願いします」


「は、はい!そう致します!」


よかったよかった。これでクリームシュカが人間と仲良くできる確率が上がりました。


「さあ、クリームシュカ!次の人助けに向かいますよ!」


「もー、なんでいつもリーンカばっかりが仕切るのさー」


「え?なんで私が仕切るのか?貴方が優柔不断だからですよ!ほら、早くいきますよ!」


「はーい。じゃあばいばーい」


「それではまたいつかどこかで。あと、今更ですが女性がこんな時間まで外に出ているのは感心しません。気をつけてくださいね。」


「…リーンカさんにクリームシュカさん、なんていい方々なのかしら。私たちも見習わないとね、ミローチカ」


「わん!」

わんちゃんの命を救う

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