ワールドリンク
「こうも立て続けに扉が開くなんて初めてだなぁ」
扉の中から出てきたのは、やはり先ほどの狭間の番人だった。
「初めまして!鍵にえら…」
「僕を異世界へ連れて行け」
もう覚悟はできている。またすぐに扉が現れた事は嬉しい誤算だった。鍵に選ばれてないので、扉が再び現れることは全く考えてなかった。
「なんだ、ナギかー!…うん。顔つきが全然違う。一体この短い間に何があったんだい?」
そして僕が持つ光る鍵を見てまた口を開いた。
「そうかーそういうことかー!君はすごいね!まさか鍵に選ばれないからって、鍵に自分を選ばせるなんてね!じゃあ中に入ろっか!」
狭間の番人が言っていることは今はよく分からない。僕は覚悟を決めただけだ。絶対に瑠夏を助けるという気持ちが何かを変えたのかもしれない。
僕は狭間の番人に促され扉を通る。
扉の中に入ると、一面真っ白な空間に出た。そして5つの扉が僕を囲うように建っていた。
「まぁ、分からないことだらけだと思うから説明するよ!この空間の名称はワールドリンク!5つの世界へと繋がる扉を管理する空間なんだ!」
要はこういう事らしい。この空間から5つの星へと自由に行き来出来るらしい。
しかし、来た星へ戻るには、他の星でまた鍵を探し、扉を見つけなければならないらしい。
「つまり、異世界へ繋がる扉ではなく、違う惑星へ繋がる扉という事だな?そして、地球に戻るには、他の星で新たな扉を見つけなければならないんだな?」
「君は瑠夏と違ってもの分かりがいいねー」
「他の人の記憶から瑠夏を消したのもお前だな?」
「そうだよーだって行方不明扱いになって探されても困るじゃん!因みに君の記憶からも消したはずなんだけどなー」
そうだ。なんで僕だけ覚えていたのだろうか。でもこの答えは、瑠夏に会いに行けば分かる気がした。
「それと、前にお前が言っていた星々の間で交わされた盟約ってなんなんだ?」
「あーそれはね、他の星を旅すれば次第に分かってくる事だと思うよ!因みに、瑠夏が入って行った扉はこれだよ!」
そう言いながら、指を指したのは、赤く光る扉だった。
「この扉はカプターっていう惑星に繋がっているんだ!」
(カプター、地球から1400光年離れた星だってニュースで言っていたな。地球と環境が似ている星。そうか、瑠夏はそこにいるのか。)
「なら、僕もこの扉に入る。僕の目的は瑠夏を助けることだからな」
「うん、君ならできるよ!それとごめんね。ルールとはいえ、無理矢理瑠夏を連れて行っちゃって」
「そっちにも都合があるんだろ?だったら謝んなくていい。必ず瑠夏と僕は一緒に帰るから」
「そう言ってくれるとボクはありがたいよ」
大丈夫。僕なら瑠夏を助けることができる。
たとえ君が1400光年離れた星にいても必ず君に会いに行く。地球に帰ったら、また星を見に行こう。だから―
(それまで無事でいてくれ、僕も大好きだ)
赤く光る扉が開く。そして一歩足を踏み出す。
「いってらっしゃーい!」
狭間の番人の声を聞きながら、僕は扉の向こうへ入った。
今回も読んでいただきありがとうございます。
いよいよ次回から地球を離れます。ここからが本番です。(前置き長すぎた)次回もよろしくお願いします!




