氷の神殿
「ここがニュアージュ神殿…」
僕達の目の前には氷でできた大きな神殿がある。そこは何か空気が違うような、異様な雰囲気を醸し出していた。
「いかにもであります!この神殿は地下にさらに広がっており全てで5層あるであります!」
オルツさんが簡単に説明してくれた。
「地下は迷宮のようになっているであります。そのため探査が困難である為、誰一人この神殿の謎を解明したものはいないであります」
オルツさんが付け加えて説明した。
「よし、進むぞ!」
ライトさんの声に押されるように僕達は神殿の中へ入っていった。
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カツン、カツン、
「出来れば来ないで欲しかったよ、凪」
大空の義賊が神殿に入った後、神殿の入り口の前にその人物は現れた。
カツン、カツン、
その人物の歩く音が響く。
「凪じゃあこの先の戦いについていけない。このままじゃあ凪が死んでしまう。どうせこんな事になるんだったら、私をこのまま独りにしていなくなるんだったら、その時はー」
何もかもを、潰してやる。
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「うわあ、真っ暗です〜」
エスターがはしゃいでいる。
「真っ暗だったら普通ビビるんじゃないのか?」
「フッフッフッ、マクレーモさんは子供ですね!」
「いやロリガキに言われたくねぇよ」
「誰がロリガキですか!」
「お前らうるさいぞ、死ぬか?」
「ご勘弁を…」
そんなやりとりを僕とリラは笑うのを我慢している。モルさんは全く気にすることなく平然としているが。
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しばらく歩くと、少し広いスペースにでた。そこから道が3つに分かれている。
「ライト様、いかがなさいますか?」
「こちらも3手に分かれよう。私とナギ、リラとマクレーモ、モルとエスターの3チームに分かれる。なお、オルツさんは我々のチームと一緒に来てください」
「分かりましたであります!」
オルツは返事をする。
「それとナギとマクレーモとモル、こっちに来い」
ライトさんがスペースの端っこに移動しながら僕達を呼ぶ。
「どうしたんですか?」
「さっきから何か嫌な予感がする。いいか、ここから3手に分かれるが誰一人としてかけることなくこの神殿を突破する。私はナギを、ナギはオルツさんを守れ。そしてマクレーモはリラを、モルはエスターを全力で守れ!」
「「はい!」」
このチーム分けにはこのような意図があった事に僕は納得した。ライトさんとマクレーモさんとモルさん、この三人をばらけさせる事によって、誰かが危険な目にあうという事は起こらない。
「よし!では出発する!」
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「この先に下に続く階段あるんですかねー」
リラは呟く。
「どうだろな、まあ、行き止まりだったらライトさん達と合流するしかないけどな!」
マクレーモはリラの呟きに答える。
(ライトさんの言ってた嫌な予感、外れればいいけどな)
しかし、ライトの勘は外れない事で大空の義賊で有名な話である。
身近な例を挙げれば、リラの村が海賊に襲われていたのもライトが何となく感じ取ってナギに行かせたのだ。
そしてまた、この場所ですぐに裏付けられる事になる。
「リラ!止まれ!何かいる!」
気配を感じた。真っ暗だが確かに感じる。
しかも、その気配は、
(弱っている⁉︎)
マクレーモは気配の感じた方向へ走り出す。リラも慌ててついてきた。
そして1つの広いスペースに到着する。その端に一人の男性が血を流して倒れていた。
「おい!大丈夫か⁉︎」
マクレーモがすぐに駆け寄る。
「リラ!回復を!」
「は、はい!」
"回復魔法・ケアス"
リラが魔法で回復する。
かなりの重傷ではあるが命に別状はないようだ。
そして、しばらく治療をすると、男性が意識を取り戻した。
「うっ」
「おい、大丈夫か⁉︎」
「大丈夫で…あります」
「一体何があったんですか?」
「わ、私はニュアージュ王国の歴史調査員であります。ここには調査に来たであります。ここまできて、神殿の出口へ戻ろうとしたその時、後ろから何者かに襲われたであります」
「襲われただと⁉︎そいつはどこへ行った⁉︎」
「そ、そこの階段で2層へと降りて行きましたであります」
「そうか、ありがとう。怪我の治療に専念してくれ」
「はい、あとは自分の万能薬で回復できるであります。ここまでありがとうございます」
リラはその言葉に頷く。そしてマクレーモは立ち上がった。
「ちょっとそいつらに挨拶してくるか!リラ!」
「はい!」
「危なくなったらすぐに引き返すけどな」
「その時はマクレーモさんが私を守って下さい!」
「言われなくてもな!」
マクレーモとリラは2層へと降りて行った。
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