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最弱魔法が知ったことか!  作者: 丸山ヤスコ
第3章 王国に潜む光と影
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勝てない

場所は戻り闘技場。


「ああ、この程度ですかぁ?興醒めです!」


僕達はミレイズと戦っている。いや、弄ばれている。


「なんなんだ、こいつ…」


僕とジークスが一緒に戦っても全く歯が立たない。戦っていてわかる。この人は僕達とは次元が違うということが。人を殺して来た人数も片手では数えきれないだろう。ミレイズはそれほどの殺気を纏っている。


「お二人は強いと聞いていたのに、何ですか!漸く私を楽しませてくれる方が現れたと思ったのにぃ!」


「黙れ‼︎」


"雷魔法・逆鱗"


ジークスが魔法を唱えると、ミレイズの足元が光り出した。これは先程の闘技場の決勝で僕に放った技である。この技で僕は瀕死まで追い込まれたのだ。そしてミレイズの足元から稲妻が迸る。


「いけぇぇー!」


ジークスが吠える


"土魔法・ウォルサンド"


しかしミレイズの魔法がそれを防ぐ。雷を覆うようにミレイズの足元に大量の砂を召喚して雷を打ち消したのだ。


「その程度の攻撃では私には傷1つつける事が出来ませんよ?」


「くそ!、こいつ熟練度相当高いな」


ジークスはそう呟く。それにミレイズは答える。


「ええ、私の土魔法の熟練度は10です」


ミレイズはニヤリとしながらそう言った。熟練度10、コイツもやはり大空の義賊のように化け物の領域に足を踏み入れたものなのだ。


「ちっ、今度は僕だ!」


"武器召喚・陽炎の双剣

エアリアルブレーカー


僕は今持てる最強の武器を同時に召喚する。


「オラッ!」


僕はミレイズに突進しながら叫ぶ。


"土魔法・グラディウス"


するとミレイズは一本の砂でできた槍を創り出した。そしてそれで僕の剣技を捌きだした。


「魔法も大した事無ければ動きも単調。実につまらないです」


「そいつはどうかな?」


僕はニヤリとしながらそう言った。


「どういう…まさか!」


ミレイズはふと背後をみる。そこには先程こっそり投げた僕のブーメランが近づいていた。ミレイズは僕の動きに気をとられてブーメランの存在に気づかなかったようだ。


「油断しすぎたな、お前。僕と一緒に吹き飛ばされろ!」


自爆覚悟でブーメランを投げたのだ。自分が死ぬ気にならなければコイツは絶対に倒せない。


「いけぇぇー!」


僕が叫ぶ。


「やめろぉぉ!」


ミレイズも叫ぶ。


しかしついにブーメランによる爆風によって二人とも吹き飛ばされた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「グァッ!」


土煙が舞う中、僕はジークスの前に落下した。


「おい!大丈夫か⁉︎」


ジークスが僕に駆け寄りながら尋ねた。


「ああ、何とか…、ミレイズを盾にした。でももう体が動かせない」


「あいつは直撃したんだ。もう死んだはずだ」


しかし、まだ終わってなかった。この程度では終わらないと言うように、ミレイズの声が聞こえた。


「いい、いいです、いいですよ!あなた!最高じゃないですか‼︎こんなにシビれる攻撃は久しぶりですよぉ!」


土煙が晴れていく。そしてミレイズは頭から血を流しながら立っていた。両手を広げ、とても喜んでいる。まるでこれを待ち望んでいたと言わんばかりに。


「くそっ!あれを食らって生きてるのか!」


僕が叫ぶ。だがミレイズはニヤニヤが止まらない。


「あなたに私から最大級の感謝を送らせてください!」


"土魔法・絶禍の砂塵"


突如闘技場内にとてつもない砂塵が現れ僕らを襲う。


「「グワァァッ!」」


僕とジークスは砂塵に吹き飛ばされる。それだけじゃない。砂の一粒一粒がまるでナイフのように鋭く僕達を切り刻んでいく。


「ガアァッ!」


体中から血飛沫を上げる。舞う砂は徐々に僕達の血が混ざって赤色に変化していった。


次元が違う。


勝てない、勝てない、勝てない勝てない勝てない!


あんなに修行したのになぁ。誰にも負けたくなかったのになぁ。成長した姿を瑠夏に見せたかったのに。


もう君に守られるだけの僕じゃないと伝えたかったのに。


魔法が弱いせいだ。魔法が強かったらコイツなんてあっという間に倒すのに。ワールドリンクへの扉の鍵に選ばれていたら、僕はチート能力を持ってこの星に来れたはずなのになぁ。


違うだろ。僕の努力不足だろ。僕はどこか自惚れていたのかもしれない。みんなが化け物みたいに強い大空の義賊に入れてもらって、自分も化け物みたいに強いと錯覚していたのかもしれない。


なんで死にそうな時に漸く自分を見つめ直せるのだろう。


この世界は広い。まだまだ強い人がこんなにいる。そう感じた戦いだった。どんどん意識が朦朧としいく。何も考えられないなか、何故か今まで出会った人達のことを思い出していた。


(ジークス、まだ生きてるかな。

リラ、ライトさん、マクレーモさん、モルさん、この星に来てからあなた達にのどれだけ助けられたか、もし出会ってなかったら、僕はもっと早く死んでいたかもしれない。僕と出会ってくれてありがとうございます。

そして瑠夏、ごめん、ごめんな。お前を助けたかったんだ。お前と一緒に地球に帰りたかったんだ)


砂塵の中で僕は涙を流す。今までの出来事が走馬灯のように流れる。そして最後に浮かぶ瑠夏の顔。


死を確信した、その時、


"風魔法・ヴェールウインド"


砂塵をかき消すように強い風が横から殴り込んで来た。そして僕とジークスを風が包み込み、ゆっくり地面に降ろす。


僕は突然の出来事で何が起こっているか分からなかった。とりあえず僕達は助けられたということだけ認識できた。


ゆっくり体を起こすと、その人は目の前にいた。頼れるリーダーが、最強が。


「大丈夫だ。お前は死なない。まだ死ねない。ルカを見つけるまではな。その為にこの星に殴り込んで来たんだろう?もし、お前が目的を果たす、その前に死ぬというなら…殺すぞ?」


微笑みながら僕の方を振り返るその姿は、今の僕には眩しすぎた。


「ラ、ライトさん…」


僕は声を絞りながらその名前を呼ぶ。


大空の義賊団長ライト・オール、ここに見参

今回も読んでいただきありがとうございます。次回もよろしくお願いします!

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