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最弱魔法が知ったことか!  作者: 丸山ヤスコ
第2章 地球から1400光年離れた星
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本当の自由

いよいよ戦闘シーンあります!最後まで見てください。

 なんとか間に合った。内心は結構ヒヤヒヤしていた。


タイミングを見計らってはいたが、とりあえずは及第点の登場の仕方だ。


「大空の義賊?知らんな。まさかお前、この人数一人相手にする気か?」


僕の周りには100人近くの海賊達がいた。村を壊すのを中断して全員集まって来たのだ。


「イゾウさん、ここは戦場になります。村人全員を隣のサグフの村辺りまで避難させて下さい」


「君は大丈夫なのかい?」


「大丈夫ですよ、この程度の連中」


あえて海賊達に余裕があることをアピールした。そうすることで海賊達は頭にきて標的を僕一人にすると思ったからだ。


「野郎ども!この世間知らずに洗礼を与えろ!」


「ウォォオオオオオオ」


四方八方から様々な魔法が次々飛んでくる。


大丈夫、落ちつけ僕、こんな攻撃、ライトさんと比べれば止まっているレベルだ。


 "武器召喚・陽炎の双剣"


僕は修行によって魔法の熟練度が上がったため、燃える剣を召喚できるようになった。


因みに、この陽炎の双剣は市場で10万ゼリーで買えるらしい。


カキンッカキンッ、体をひねりながら双剣で魔法を捌いていく。この剣はあくまで魔法である為、ライトさんの強い魔法を喰らったらたちまち崩れてしまうのだが、この連中には熟練度で優っているため、崩 そのようなことは起きなかった。


「ふっ!はっ!」


しかし、数が多いだけに、さすがに疲れてきたが、少しずつ相手の魔法も落ち着いてきた。

そしてようやく、魔法の連撃が収まった。


「ば、化け物かよ」


「そうか?僕より強い人なら沢山いるぜ?どっかの町にはな」


「舐めやがって」


「今度は俺の番だ」


 "武器召喚・ウィンドブレイカー"


そう言って今度は風を纏うブーメラン2枚を召喚した。これは熟練度4で召喚できるようになる。


単価にしておよそ11万ゼリー。自分の魔法がお金で買える事に対して悲しくもなるが、高い武器を無料で扱う事が出来ると考えれば、いくらか心は安らぐ。


「いくぞ!」


周囲の海賊達へ投げた。すると、ブーメランを中心にして強風が吹き荒れた。たちまち風に煽られた海賊達は宙へ放り出された。


「うぁぁああああ!」


そしてブーメランは風の威力を弱めながら僕のもとへ戻ってきた。しかし、僕はブーメランをキャッチせずにそのまま僕の体の周りを飛行させている。僕は一気に100人まとめて倒すことに成功した。


「ほんとアンタ何者よ」


「いや、まさか俺もこんなに上手くいくとは思わなかったけどね」


海賊を倒しつつそれでいて周りの建物は無傷だった。僕の初めての実践の戦闘だったが、かなり満足のいく出来だった。


「チッ、こうなったら先に海に出た残りの半分も呼び戻してやる!」


「あー非常に言いづらいんだけどー、さっき海泳いでたら海賊船見つけたから、勢い余って沈めちゃったー」


ニヤッとしながら僕はそう言った。実は僕がリラに会いに行った時、たまたまリラの通話が聞こえていた。だからリラに海に投げられた時、先に船に乗ってる海賊から潰そうと思ってリラの前から姿を消したのだ。


いよいよ、自分一人しか残っていない事に気付いたウッヅは観念すると思いきや、笑い始めた。


「クッククハハハ、こうなったらもうヤケクソだ!」


"アクアマーズ"


ウッヅがそう唱えると、ウッヅの両隣から無数の水柱が伸び、村を襲った。かなりの威力だ。


「これは水魔法の熟練度5の技だ!誰も止められやしない!すべてを、すべてを壊してやる!」


「チッ、僕と戦えよ!」


"エアリアル・ブレイカー"


熟練度7で習得できる技で、二つのブーメランに爆風を纏わせ水柱を切り裂いていく。が、中々水柱は収まらない。これはもう直接ウッヅを倒すしかない。しかし、二つのブーメランは水柱の相手で精一杯だ。かといって、剣は火を纏っているので、水魔法を使う相手には相性が悪い。


(こうなったら拳で行くしかないか!)


脚に力を込め、一気に駆け抜ける。


しかし、


"アクアウォール"


ウッヅは僕の行動を先読みしたように自分の周囲に壁をはった。


「お前の負けだ!己の無力さを恥じるがいい!」


「いや、負けねぇよ」


僕は走る、ウッヅを倒すために。


「ここには守りたい奴が、救いたい奴がいるからな」


僕は走る、リラに本当の自由を教えるために。


「歯ァ食いしばれ!」


僕の拳は水の壁にめり込む。水の壁は分厚く中々突き抜けない。


ウッヅが微笑む、後ろから水柱が僕を突き刺そうと近づいてきた。だけど、僕は止まらない。リラを助けるために。


ついに拳は水の壁を破り、ウッヅの顔にめり込んだ。


「ガハァッ!」


ウッヅを吹っ飛ばした。その瞬間、村を破壊しようとしていた水柱は無くなり、辺りは静寂に包まれた。


初めての戦闘はどうやら勝利に終わったようだ。そして、僕は後ろに佇んでいるリラに言った。


「リラ!」


「…うん」


「これが本当の自由だ!」


「ゔん!」


リラは泣いている。僕は振り向かないように努力した。しかし、突然後ろから衝撃が来た。抱きつかれている。


「ありがとう、ありがとう!」


「6年間、頑張ったな」


「うあぁぁぁん!」


僕はリラを労った。よく耐えた。よく頑張ったと。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


それからしばらくして、避難していた村人が帰ってきた。なぜか大空の義賊のみんながいた。


「なっなんでここにいるんですか?」


「いやーナギが中々帰ってこないから泳いでいる途中で死んじまったと思って心配してたんだよ!」


そう答えたのはマクレーモさんだった。


「とりあえず、無事で何よりだ」


どうやら大空の義賊のみんなは僕を心配してくれたそうだ。


「いやはや、さすが凪殿です。海賊200人相手取るだけでなく、女の方ともお近づきになられるとは」


(モルさんは何言ってるんだ?)


しかし、すぐにわかった。気がつけば、なぜか僕とリラは手を繋いでいたのだ。


「い、いや別にそんなんじゃないですよ!」


「そ、そうですよ、別に違いますから!」


僕とリラが同時に慌ててしまったから、余計にマクレーモさんからいじられる事になってしまった。


「リラー!無事かいー?」


向こうからイゾウさんの声が聞こえた。


「行けよ、伝えたい事、いっぱいあんだろ?」


「う、うん!私お父さんと話さなきゃ」


そう言ってリラはイゾウさんの元へと行った。


「改めて、よく頑張ったな、ナギ。これで大空の義賊の名声も王国まで轟くだろう。王国は近隣の島が、6年も占領されていて、それに気付かなかったことに青ざめてるだろうしな」


ライトさんは僕を労ってくれた。


「いえ、僕はただリラを助けたかった、それだけです」


「それでいいんじゃないか?戦う理由なんてよ!」


マクレーモさんは僕の肩を組みながらそう言ってくれた。


「はい、ありがとうございます!」


「よーし帰ったら祝勝会だな!」


「すでに準備は出来ておりますぞ!」


「ったく、気楽な奴らだ」


マクレーモさんはともかく、モルさんまでテンションが上がっているのは新鮮だった。ライトさんは相変わらずだけど。でも、僕も、ようやく大空の義賊の一員になれた気がした。

今回も読んでいただきありがとうございます。次回もよろしくお願いします!

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