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最弱魔法が知ったことか!  作者: 丸山ヤスコ
第2章 地球から1400光年離れた星
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生まれてきてくれてありがとう

 いつからだろう、作り笑いしか出来なくなったのは。いつからだろう、心に穴が空いているように感じるのは。私のせいでこの島に海賊がやってきた。私のせいで一つ村は破壊され、一つ村は支配されている。そう、あれもこれも全部私のせい。


私の生まれてきた意味って何だろう。私は生まれてきて良かったのかな。私が生まれて来なかったらこんな事にはならなかった。


でも、これも今日で終わる。今日は海賊達がきて6年が経つ日。私達海賊はこの島から撤退し、他の島を目指す。そうすればこの島はもう恐怖に怯えなくていい。


そんな事を考えていると、肩に海賊の通話オウムがとまった。


「リラ、撤退の準備だ。最初の100人はアジトの船着場から船を出すところだ。早くアジトに戻れ」


「了解」


そう短く答えて、今いるクオカの村の船着場で黄昏ていたのを止め、アジトに向かおうと振り向いたその時だった。


「リラ!」


振り向くと、そこにナギが立っていた。


 (なんでまだコイツがいるのよ!)


「またアンタね…さっさとこの島から出ていけっていったじゃない!」


「ああ言われた。でも僕はお前をこのまま放って置けないんだよ!僕が海賊を倒してやる!」


 (なんで私はこんなに腹を立てているのだろう。)


「コイツ…」


そう言って、私はナギの腕を引っ張った。ナギは何も抵抗してこない、だからその勢いで海に投げてしまった。海からナギが勢いよく顔を出す。


 (ほんと、何やってんだろう、私。)


「アンタに…私の、この島の何がわかるってわけ⁉︎ この島は私のせいで6年間も苦しめられてるの!でも、それも今日で終わる。この島は6年間耐えたの!今さら余計なことしないで!」


「お前はこれからもずっと海賊やってなきゃならないんだろ?お前はこのままでいいのか?それじゃあお前とお前の家族は救われなじゃないか!」


「アンタ、父さんにあったのね…」


「そこでリラの事も聞いた」


「私はこの島に、家族に多大な迷惑をかけたの!だから、私が苦痛を受けるのは当然の報いよ!」


『島は救われても私は救われない』というナギの言葉がなぜか心に響いては鳴り止まない。


(別に私は救われることなんて望んでない!)


ナギはまた何かを言おうとした。しかし、もう何も言わなかった。そのかわりに、何か覚悟を決めたような目になった。


そうして、海へ潜っていった。やっと、どこかへ行ってくれた。もう二度と会うことはないだろう。それでもナギの言葉が心に刺さったまま取れてくれない。私はそれを振り払うかのようにアジトへ走り出した。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


アジトへ戻ると、早速ウッヅから声をかけられた。


「ようリラ、待ってたぜ?」


「何よ」


私は嫌な予感がした。


「お前ら、コイツを捕らえろ」


そう言うと、3人の男が出てきて縄で私を素早い動きで拘束した。


「どういうつもり?」


「なに、ちょっとした俺からのサプライズプレゼントさ、今からクオカの村へ行く」


 「先行隊は先に海へ出てソレイユ王国近海を目指せ!残りの半分は俺について来い!」


海賊半分の100人は先に海に出て、残りの半分は私を縄で拘束した状態で村へ連れて行った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


村へ到着するとウッヅは高らかに声をあげた。


「野郎ども!この村をぶっ壊せ!人も建物も何もかもを破壊しろ!」


「ウオオオオオオオォォ」


「ちょっと、どういうことよ!話が違うじゃない!」


「言っただろう?サプライズプレゼントだって。お前に最高の光景をプレゼントしてやるよ」


ウッヅは笑いながらそう言った。コイツはどこまで外道なんだ。海賊達の大声、村人達の悲鳴が聞こえる。


「みんな、逃げて!、早くしないと…ぐあっ」


声を出したらウッヅに腹を蹴られた。


「ごちゃごちゃうるせぇな、しっかりと目に焼き付けろよ?お前は海賊なんだ、略奪は当たり前だろ?」


海賊達はどんどん村を破壊していく。襲われる者、目の前で家を壊される者、村人達は6年間積み重ねてきたものを踏みにじられている。


 (くそ、くそ!私は何も守れないのか⁉︎)


「ボス!見つけました!この村の村長です!」


「お父さん…」


「殺せ」


「やめて、父さんを殺さないで!」


「大丈夫だリラ、目を瞑ってなさい」


目の前で父さんが殺される。父さんだけは生きて欲しかったのに。


また、私のせいだ。なぜ私は生まれてきたんだろう。どうせこんなことになるのなら、生まれなかった方がみんなを守れたのに。


「大きくなったな、リラ。6年間よくがんばったな。リラ、16歳の誕生日おめでとう。私は今までリラの事を忘れた日など1日もないよ。君がどれだけ苦しんで生きてきたかも知っている。でもね、自分を恨んではいけない。きっと救われる日が来る!これが私からの最期の言葉だ。私達のもとへ生まれてきてくれてありがとう。お前は私達の宝だよ」


お父さんの言葉に、涙が溢れてきた。


 (私は生まれて良かったの?誰かを守る力なんてない、いるだけで島を滅ぼした私が?父さんにあんなに酷いこと言ったのに)


海賊達はリラの目の前でイゾウ処刑しようと剣を振りかざそうとしている。

ふと、心が騒ぎ出した。塞がることのなかった、穴の空いた心が。


(お父さんを助けたい、助けたいのに、私には力がない私の魔法じゃ、誰も守れない!)


ここで何故だか私と同い年で、さっきから心を騒つかせる男の子の顔が浮かんだ。


『助けて欲しかったら大声で僕の名前を叫べよ!きっと助けてやるからさ』


 (助けて…お願い…)


「ナギー‼︎‼︎」


「任せな!」


そう言って、一人の男が建物の屋根の上から飛んで来て、イゾウを処刑しようとしていた海賊を蹴りで吹っ飛ばした。そして私の前に立ち塞がる。目の前にはナギが立っていた。


「ようお前ら、僕は大空の義賊次期エース、東雲凪だ!よろしくな」

今回も読んでいただきありがとうございます。さて、いよいよ次回は戦闘です。戦闘シーンまで長かった…次回もよろしくお願いします!

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