今夜星を見に行こう
初めまして丸山ヤスコです。初めて投稿しました。拙い文章や構成だと思われますが少しずつ上達していくつもりですので温かく見守りください!不定期更新です!
『今日、日本時間午前4時、アメリカ宇宙開発機構は地球から1400光年離れた場所で、地球に限りなく似ている惑星を発見したと発表しました。また生命体がいる可能性も高いとのことです。アメリカ宇宙開発機構はそう遠くない未来、人類が移住できるかもしれないと発表しています。丸山さん、このニュース、どうお考えですか?』
『いやー、そういう惑星はもしかしたら、もっとたくさんあるのかもしれませんねー』
ぼんやりとこのニュースを見ていた瑠夏はいきなり立ち上がり、隣でゲームをしていた凪に言った。
「なぎー、今から星見に行こうぜ!」
「嫌だめんどくさい」
僕は即答した。季節は夏、連日30度を超える真夏日が続いている。なぜこんな暑い夜にわざわざ星を観に行かなきゃいけないのか。
「そもそも、明日からの定期テスト、大丈夫なんだろうな?」
「え、明日ってテストなの?」
「赤点確定だな」
「なぎだってゲームしてるじゃん」
「今日の勉強はもう終わらせてるんだよ」
しかし面倒くさいという理由で断るのは流石に気が引けてきたので、
「明日のテストが終わったら一緒に見に行ってやるよ、だからお前はちゃんと勉強しろ」
「えぇー明日ぁ?」
瑠夏が駄々をこねる。
「明日の方が快晴で星も綺麗だと思うけどなぁー」
「よし、明日見に行こう!」
瑠夏ほど簡単に扱える人物はそうそういないだろう。
(こいつ馬鹿だ)
僕はそう考えつつも口には出さなかった。
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僕と瑠夏は同じ施設で暮らしている。僕達は両親を知らないのだ。だから、苗字は同じ東雲だけど兄妹ではない。
学年も同じで、常に一緒にいた。僕は小さい頃から体が細くて病弱で、よくイジメの対象になっていた。そしたら毎度瑠夏は僕を助けてくれた。
瑠夏は運動神経抜群で、陸上部のエースである。おまけに顔も整っていてポニーテールがよく似合う女の子だ。
僕はそんな正義感の強く、笑顔が素敵な瑠夏に何度助けられたことか。口では馬鹿だとか、悪態つくことは多いけど、内心では感謝している。
逆に僕は瑠夏に何をしてやれただろうか、どうして瑠夏は僕と一緒にいてくれるのだろうか、そんなことを考える時間が成長するにつれて増えていった。
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「やっとテスト終わったー!」
ここは僕達が通う学校、今、テストが終わったのだ。これで長きに渡るテスト勉強ともおさらばだ。テストで大変なのはテスト自体ではない。その為に1、2週間前から始めなければならないテスト勉強の方だ。それから解放された時の心地よさは半端ではない。
瑠夏は僕の机に座って背中を伸ばす。
席に座っている僕は、突然目の前にスカートが現れてドキッとした。
(落ち着け!瑠夏だぞ⁉︎)
僕が勝手に動揺していると後ろから声がかかった。
それは僕にとって最悪の声である。
「おい凪、ちょっとジュース買ってこいよ!ついでに売店でパン買ってこい!」
声の主はクラスで僕を目の敵にしている塚本英明だった。
「い、嫌だよなんで僕が…」
一応抵抗してみる。普段はビビって抵抗すらできないのだが、目の前に瑠夏がいるせいか、少しだけできた。
「おい、抵抗すんのか?あぁ⁉︎」
塚本は僕の胸ぐらを掴む。
息が苦しい。心臓がバクバクする。
塚本の恫喝にクラスのみんなが静まり返ってこちらを注目している。みんなが驚いているのも無理もない。
普段塚本がこんな感じなのは僕と2人きりの時だけだからだ。周りにはいい顔をして陰では僕をいじめる、そして周りの人間に僕の根も葉もないデマを流して僕を陥れようとする陰湿な奴だ。
しかし、とうとうみんなの前に本性を現したことには理由がある。
昨日、塚本は瑠夏に告白したのである。それもクラスのみんなの前で。そして見事に砕け散った。恐らくその影響で、自分の恥ずかしさを紛らす為に、本性をかくすことを忘れて僕に八つ当たりをしているのだ。全くもって哀れである。
しかし、いくら哀れだからといってもやはり怖いものは怖い。僕は胸ぐらを掴まれて震えていた。塚本はまるで勝ち誇ったかのようにニヤニヤしながら僕を見ている。
横でずっと見ていた瑠夏が口を開くまでは。
「ねぇ、何やってんの?」
一体どこから声を出せばこんなに冷たい声が出るのか。
「誰が凪に触れていいって許可出した⁉︎あぁ⁉︎」
今度は瑠夏に対して驚く番だ。こんなにキレた瑠夏を見るのは僕も初めてだ。
あまりの剣幕に塚本の顔から血の気が引いていく。
自分の好きな子からそんなことを言われたら誰だってそうなるに違いない。
塚本は力を失ったかのように僕を解放する。そして相当落ち込みながら教室を出て行った。
「ふんっ」
瑠夏が腕を組んで塚本が出て行った教室のドアを見る。
(助けられちゃったな)
僕は心の中で感謝する。教室もまた、何事もなかったように騒がしくなる。
そして今夜、僕達は星を見に行く。
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裏山を登りながら僕はふと、尋ねてみた。
「てか、なんで急に星なんか見たいんだ?」
「いやー、ニュースでやってたんだよ。なんか地球に似た星見つけたって」
「あー確か名前はカプターだっけか?」
「名前までは知らん!」
「そういえばお前は馬鹿だったな」
僕は呆れながらそう言った。そしてずっと気になっていたことを僕は聞いてみた。
「なぁ馬鹿」
「『なぁ瑠夏』みたいにナチュラルに言うなー!」
「わ、悪かった。ちょっとお前とは真面目な話がし辛くて」
「真面目な話?」
「ああ、何で瑠夏は僕のことを助けてくれるんだ?何で一緒に居てくれるんだ?」
僕は疑問をぶつけた。瑠夏は僕と一緒に居て楽しいのか、それとも幼馴染だからだろうか。
「言わなきゃ分からないなら、凪も馬鹿だよ」
瑠夏は小さな心の叫びを僕はよく聞き取れなかった。
「えっ?」
「ううん、なんでもない。よし!展望台まであと少しだから頑張ろう!」
瑠夏は明るくそう言った。
(どんだけ楽しみにしてたんだよ)
僕は瑠夏の背中を見ながら微笑んだ。
(助けてくれてありがとう)
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そうこうしているうちに、裏山の展望台に着いた。そこから見上げる星空は息を呑むほど美しかった。
「すげーな」
「来てよかったでしょ?」
「ああ」
おもわず頷いてしまったが、何か瑠夏に負けたような気がして悔しくなった。
夜空はまるで星が降ってくるかのようだった。こんな景色なら一生見ていられる。
(これは見に来てよかったな)
と僕は思いつつも口にはださなかった。
しかし、この時間は長くは続かなかった。急に霧が出て来たのだ。
「仕方ない、帰るか」
「そうだねー」
仕方なく僕と瑠夏は帰ろうとしていた。しかし、二人で来た道を帰ろうとすると、瑠夏が地面にキラッと青白く光る何かの鍵を見つけた。
「なんか変な鍵みーつけた!」
「綺麗な鍵だな。警察に届けるか」
「そうだねー」
そう言いながら歩き出そうとしたその時―。突然、辺りが目を開けられないほどの光に包まれた。
「うぁっ!」
「なにこれ⁉︎」
僕達は目を瞑りながらそう言う。
しばらくたって光が収まり、ゆっくり目を開けると、さっきまでなかったはずのものがそこにはあった。
「何これ?扉?」
僕は突然すぎる出来事でこう呟くのが精一杯だった。
第1話、読んで頂きありがとうございます。これから不定期ではありますが、どんどん連載していくので応援よろしくお願いします!




