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第六話

夕闇になる前に明かりが点いている家の前に着けた。村というか、家一軒しかないのだが。まあ良いか。野宿は回避したようだ。よくよく見てみると山小屋みたいな家だ。ドアの前に立ってノックをする。


…………。


再びノックをする。が、何も音がしない。あれ?灯り点いてたよね?

と、窓の方に目を向けた瞬間、ドアが開いた。


「……」


デカい。何がって言うと、身体が。顔が見えない。多分、2m半以上はある。

167cm以上はある私が子供のような感じになる。この人人間か?一応ステータス見てみる。


『 ??? ??

  体力 438/438

  魔力 253/253

  種族 ヒューマン

  属性 【火】【風】

  状態 なし

  スキル・技 なし

  称号 森の監視者    』


……あれ?ステータス見れるのか。名前は分からないけど。というか人間だった。え、この世界の人ってこんなに大きいの?というかこんなにデカいのに私より体力が半分以下もないんだけど。

あれー?とステータスに夢中で無言になっていると、相手が少し腰を下げた。


…………。


無言だ。どちらも無言だ。てかこの人?顔が怖い部類に入る。めっちゃいかつい男の人?だ。40~50歳くらい?髪の毛は深緑か。さすが異世界。――じゃなくて。挨拶しなければ。泊めてくれるかどうかは私次第だ。


「あの、こんばんは。すみませんが一泊泊めて貰えませんか?」

「……」


反応がない。あれ、今更だけど日本語通じるのかな。でもムガンには通じてたし……。と思索していると、相手の人がドアの前から退いた。


「入れ」

「え、は、はい」


恐る恐る中に入ってみると、目の前には大きな木製のテーブルと、4つの椅子があった。その奥にはキッチン。左斜め奥は暖炉があり、その前にはロッキングチェアがあった。更に左の奥には2つドアがあった。寝室と風呂かな?

周りを見渡している間に、後ろでバタンと音がした。ビクッとして振り返ると、男がドアの前に突っ立っていた。めっちゃ睨んでくる。少し冷や汗が出てきた。


「座っていろ」


と言ってどすどすとキッチンの方へ行ってしまった。座っていろって、この椅子にだよね。

私の身体より少し大きな椅子に座って待っていると、何か美味しそうな匂いがしてきた。良い匂い。

と、目の前に大きなお皿が置かれた。コンソメスープのようなものの中に肉と野菜が入っていた。その隣にバケットのような物が入った籠が置かれる。


顔を上げると、目の前で先程と変わらない表情を浮かべた(つまり無表情)おじさん(もうおじさんで良いか)が突っ立っていた。


「食え」

「え、あ、は、はい。じゃあ、いただきます」


どもってしまったが取り敢えず頭を下げる。目の前の食事を前にすると、急にお腹が空いてきた。パクリと一口。美味しい。塩加減が抜群だ。肉もジューシーで、ペロリと完食してしまった。うーん、もう一杯欲しい。と思った瞬間に声を掛けられる。


「かわり、いるか?」

「あ……は、はい!欲しいです!」


がっつきすぎかなと思ったが、おじさんは無言でキッチンに戻っていった。

うん、めちゃくちゃ無表情だけど、良い人だ。(多分)泊めてくれる上に夕飯まで……。寡黙な人だけど、とっても良い人。私の中で好感上昇だ。

そうして、夜が更けていった。


◇◇◇◇◇


食事の片付けを手伝った後に自己紹介をした。バルクさんは木こりと、森を人間が無闇に荒らさないようにと監視役を買って出ていて、ここに一人暮らしてるらしい。なんかムガンの時といい、何かあった後に自己紹介してるけど、普通に出来ないのかな、私は。

おじさんの名前は、バルク・シューゼルと言った。多分前半が名前だろう。

私はリオ・カルザークと名乗ることにした。うん、ちょっと神咲(かんざき)を変えた。偽名にしたのは……まぁ、気まぐれ?


相変わらずバルクさんはほとんど無口だったが、私のためにすぐに風呂を焚いてくれたり(昔懐かしの薪の風呂焚き、私の家では普通だけど)、ベッドは一つしかなかったのだが、バルクさんがソファに、私はベッドへ寝させてくれようとしてくれたり(勿論断って私がソファに寝る事になったが)と、とても親切だった。

風呂場でマジックボックスを出して着替え、風呂場から出ると、寝る時にと厚めの毛布をくれた。やっぱり良い人。明日には出ていくけど、一宿一飯の礼はしなきゃな。と思いながら瞼を閉じた。






翌朝、いつも早起きの私はバルクさんより早く起きたようだ。毛布を畳んで考える。さて、何をしようか。朝ご飯を作ろうか、それとも薪割りをしようか。

……朝ご飯を作ろう。ここには冷蔵庫っぽいものもあったので(仕組みは分からないが、電気では動いてない)中身を見てみると、まだ肉と野菜が余っていたのでこれなら作れる、と腕捲りをした。


◇◇◇◇◇


よし、完璧。朝ご飯は様々なお肉の上に卵焼き、あと野菜を煮たスープ。足りないかなーと思ったので結構作っておいた。これで良いかな。

片付けをしている時にバルクさんが現れた。私が朝ご飯を作っていたことに驚いたようだ。驚いて固まっているバルクさんを催促して席に着かせた。テーブルに料理を置いて、私も席に着いて料理をいただく。

バルクさんには肉多めにしといたけど、足りなかったかなと思ったが、満足したようでほっとした。私はお皿を片付けてバルクさんは食後のお茶ならぬ水を飲んでいたときにドアからノックの音がした。


「バルク殿、居ませんか?」


若い男の声だ。バルクさんはドアに向かっていき、私も手を止めてドアに近付く。ガチャ、と開くとそこには――イケメンが居た。

空色の髪に目。髪は長く、後頭部に一つに纏めていた。身長は180cm以上かな?バルクさんが別格なだけのようだ。銀の甲冑を着ており、腰には剣を携えていた。どこかの王国の騎士?のような出で立ちだが、物腰は柔らかそうだ。こちらもステータスを見る。


『 ??? ??

  体力 638/638

  魔力 473/473

  種族 ヒューマン

  武器 クレイモア

  属性 【水】【風】

  状態 なし

  スキル・技 氷刃(ひょうじん)颶風(ぐふう)

  称号 紅雪の騎士     』


……。何?体力はバルクさんよりは上だけど、私の半分しかないんだけど。え、規格外?私規格外!?それにステータスの表示条件って人間相手しか出来ないのかな?よく分からん。というか技?と称号がなんか……ごめん、初対面だけどめっちゃ笑いそう。我慢だ。私頑張れ!

吹き出しそうになってる私の隣でイケメンはバルクさんに挨拶をする。


「ああ、バルク殿。おはようございます。朝早くから申し訳ない」

「何か、お話でも?」


どうやら顔見知りのようだ。というか、何で騎士がこんな辺境地に?となんとか笑いを抑えて考えていると、イケメンと目が合った。じっと凝視される。な、なんだ?


「……そちらは?」

「……。失礼ですが、相手に名を聞くときはまずご自分から名乗っては?」


と生意気に言ってみた。不躾にこっちを見るからだ。

私の受け答えにイケメンは驚いて目を見開いたが、すぐに笑顔になる。


「これは失礼した。私の名はアレス・ファルク・ヴァンガルフと申します」

「リオ・カルザークです」


今度は素直に言う。イケメン――アレスはにっこり笑った。





ちょっとだけ長くなりましたね。

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