宇佐岐茶基の非王道的役職
以前投稿していましたが問題があったので大幅改稿しました。データ全消去して一から書き直しましたが大丈夫でしょうか。不安です。
BL。ベーコンレタスなどと読まれることもあるがそれも要は隠語で、平たく言えばボーイズラブのことだ。
攻め受けタチネコエトセトラ。まあジャンルは実に様々なものがある。
その中の多くが「学園」が舞台になることがある。幼馴染み、同級生、先輩、後輩、教職員。主人公のみならず相手も実に様々だ。
舞台が学園のBL小説には『王道』的に展開が進むことがある。仮に「王道展開」と名付けよう。安直だな。
髪はボサボサで目元にまで前髪がかかり、目が見えなくなるほどブ厚い眼鏡をかけた、小柄な少年。彼が学園に転校してくることから王道展開が始まる。
展開の続きを話す前に「王道学園」を紹介しよう。BL小説に出てくる王道学園とは、全寮制男子校が舞台となる。そこでは家柄や品格や頭脳、そして何より「顔の良さ」がステータスとなる。見目麗しい生徒ほど学園内で厚待遇を受けることができる。
そして学園内では生徒たちの憧れの的となっているグループ、それが『生徒会』だ。
無論、ただの生徒会ごときに学園中が注目するわけない。生徒会役員たちは、学園中の誰よりも家柄が良く、賢く、そして何より顔がいい。全寮制男子校、すなわち閉鎖的な男の園ともなれば、恋愛対象や欲望の捌け口が同姓、というのは決して珍しいことではない。無論休日には学園外に出ることも可能である。しかし平日の殆どを同姓だけに囲まれていたら不満も溜まる。しかし休日になるまで女子には会えない……というデススパイラルから同姓にはしるのだ……ろう。
話を戻そう。加えてただの美形だけならまだしも、彼等には彼等なりの「個性」があるのだ。
会長は俺様、副会長はクールインテリ、書記はワンコ、会計はチャラ男、そして庶務は双子、というキャラを。
詳しい説明は省かせてもらう。ここで重要なのは会計のチャラ男だ。
髪を染めたり、いつも間延びした話し方をしたり。ピアスやアクセサリーを過剰に身につけ、加えて学園内には多くのセフレ、すなわちセックスフレンドがいると噂されている……ことが多い。
……そういう男のことをチャラ男というならば、俺の知り合いに一人いる。
宇佐岐 茶基という名前で、俺はラビと呼んでいる。当然名字をもじったせいだな。
ラビは所謂「チャラ男」の部類に入るだろう。髪を茶色に染め、ピアスやアクセサリーがジャラジャラ。いつも間延びした話し方で、ヘラヘラ笑っている。
しかしラビ、先程の王道と違い、風紀委員会に所属している。しかも副委員長。こんなのが風紀委員で大丈夫なのか、この学園。
ちなみにラビ、学園内では上位に入る位顔面偏差値が高い。しかし特定の子と長期間付き合ったことはないようで、見るたびに違った子を連れている。ヤバイな。風紀が率先して風紀を乱している。
――そんなラビには、一部の人しか知らない秘密がある。
「今日俺英語(の全文和訳)当たるんだぁ。答え見せてぇ~」
「明日の昼休みいいんちょーが頭からウドン被るんだぁ~。見に行こうよぉ~」
「どおしよぉ。いいんちょー見て爆笑したら書類倍にされるよぉ。見たいなあ。でも笑わずにいられる自信ないなぁ」
さて、可笑しいのがお分かり頂けるだろうか。
そう、現在時制に混じって未来時制が使われているのだ。
なぜ未来のことを言うのか、と尋ねたら
「えへへ~。俺、未来が視えるんだぁ~」
と返ってきた。凄いな。最近のチャラ男は未来を予知できるのか。
俺の知り合いラビの目はイカれてる。彼の目には未来が映るのだ。
付け加えると、そのお蔭でラビが風紀副委員長になってから、学園内で、事件らしい事件は起こっていない。転校生もいない、とても平和な学園生活だ。




