後悔
「始めまして皆様方、私の名前は後悔、今回のナレーション兼進行役を務めさせてもらいます。
本日担当であった頑固は、体調不良のため、お休みさせてもらいます。
それでは物語の始まりです。」
「ちょ・ちょっとわしは、まだいるじゃき」
しかし皆様この物語は、何だと思われている方もいると思います。ここまで呼んできてくださった
そんなありがたい皆様にこの物語の説明をさせていただきます。
「この物語の主人公それはこの感情すべてなのですが、そのなかの一人だけ感情では、表されていない人がいますね。」
そう『俺』です。彼は交通事故で今、意識を無くしているのですが、夢の中で彼らと仲良く暮らしています。のんきに暮らしてはいますが、彼は植物状態です。現実での話ですが
「彼は自分の力で目覚めることができます。」
「いや私達『感情』みんながそう思っている所存です。」
「わしもそうおもっちょる。」
頑固もそう思ってるのか!! 内心びっくりです。でも『俺』はそう思っていません。
この話も俺には内緒にしています。
なので私たちは、彼を無理矢理起こそうと、楽し気分にさせ心を乱し結果的に、
「あれ・・・ここどこ?」 と、気づいたら起きていたみたいなことにしたいのですが・・・・
「社会さん何か思いつきません?」
訪ねられた社会は、いかにも嫌そうな顔をしながら、逆に訪ねてきた。
「ギャランティーは?」
さすが、合理的で営利的な社会くん、ごもっともです。しかも彼は、『俺』を起こす方法も、
・・・・・あの不敵な笑みたぶん用意している頭がきれますね。
今回は彼をギャランティーなしで働かせることが、私の仕事のようです。
私はそう決意し、少しあきれ気味にこの言葉を、彼に伝えました。
「そんなものありませんよ」
「やっぱりか・・・・断わらせ」
「でも」
社会の言葉が詰まる。そして訝しげに後悔を見た。
「でも?」
「あなたの存在意義を無くすでどうですか?」
まるで鞭で打たれた、馬のように驚き、もう一度聞き返してきた。
「ほんとか? ほんとにできるのか?」
「ええ、ほんとうですよ。ただし」
「た・ただし・・・・・」
二人の間に沈黙が訪れた。しかしすぐ社会は理解したのか、
「ふっ、ただし後悔の命令を聞けと言うことだろ」
「おさっしの早いことで、助かります。」
しかし存在意義を無くすとはどうゆうことだ? 思ってる人もいると思います。
「ですよね? 後悔」
「ええあ・・・わ・わかってるそれくらい!!」
「ホォーでは頑固、その標準語で説明をしてください」
頑固はまるで、おもちゃをとられた子供のような顔をしながら標準語に直して説明し始めた。
「わしらは、あ」
「私たちは、『俺』が存在の意義があると思った感情、物、それが『俺』の夢の中で具現化します。だから他にも、お金さんや、嘘さんも居ます。でも僕達は、好きでここにいるわけではありません。
『俺』に付き合わされているだけで実際問題みんなめんどくさがっています。」
「良くできました。」
後悔に笑顔が戻った簡単なやつだ。
「で、どうやって存在意義を無くすんだ?」
待ちきれずに社会が聞いてきた。やっぱり社会は合理的主義者です。答えばかり気にする、結果ばかり
「まぁー平たく言えば、僕たちは消えることができるんです。」
「どうやって? それができないからみんな俺に付き合ってるんだろ?」
「まぁーそうなんですが、彼の意識から消える事ができれば、ああ、間違えました。意識ではなく
彼の必要な物から除外されれば良いんですよ。」
「除外? ・・・・・どうやって?」
社会は、頭はきれるが発想力にかけることが、この質問で解ってしまった。
「社会さん、さっき言ったじゃないですか、『必要な物から』除外されればいいと」
「だ・だから」
「落ち着いて考えてみてください、社会さん。私たちの存在は、『俺』の思うがママですよ。ならば必要な物から、いらない物に、なればいい」
しか社会は腑に落ちない顔で後悔をにらみつけた。できるならばとっくにやっていると、言いたげだ。彼を説得するには、具体例が必要なようだ。
「じゃー社会さん最近見ない人たちいませんか?」
「ああえーっと、最近は・・・・・、お金やつをみねえな」
「信じられないでしょうが、彼は消えました。正しくは必要のない物に分類されただけですが。」
「じゃ・ななんで一番必要のない社会がきえないがじゃー?」
頑固が聞いてきたが、その方向を張本人である社会がにらむ、しかし心のどこかでは社会もそう思って居たのだろう、後悔に向かって言った言葉は、
「確かに・・・・・・あまり需要性のない物ではあるが」
またしばらく沈黙を生んだが後悔は人付き合いの旨い人間である。社会に助け船を出した
「まぁー痛いところは突きませんが、社会さんは、『俺』と話しすぎだからダと、思います。」
あまり傷をえぐらずに社会を納得させることができたようだ、少し安心した後悔はそこで重大な話を
さも簡易な事のように、話し始めた。
「それじゃーそっちも、教えてくれよ。」
「わかった。でもお前の若者言葉はやめてくれ、その透き通った声には会わない、」
「もうしわけない忘れてくれ、」
後悔が少し顔を赤らめた。後悔は、案外恥ずかしがり屋なのである。
「そ・それじゃ本題にはりまちょ」
かんでしまった。後悔は、おもわず
「もう、この話し方むずかしい~~、いやになっちゃうわ、なんで私はクールキャラなの」
まわりのみんなが口を開けて驚いている。なぜなら今の今まで気づかなかったが後悔は女だったのである。
「ええ? 後悔はオカマでござるか」
頑固はまだ気づいてないようだ。
「ちちがうわよ、私は正真証明女よ。」
「かくしていたのか?」
社会が訪ねた。
「か・隠すつもりはなかったの、言い出すタイミング失っちゃって」
当面の問題は、うやむやになってしまうのだった。