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入学式

今日は高校の入学式。

私は、これから始まる新しい生活への不安と期待でいっぱいになりながら、校門をくぐった。

校舎の入り口には新入生のクラス編成の紙が張り出されているらしく、真新しい制服に身を包んだ新入生達が群れを作っている。

私も自分のクラスを確認しようと人込みをかきわけて張り出された紙を見た。

            1年B組。                   そこに私の名前があった。            クラスを確認し、自分の教室に向かおうとする新入生達の波に半ば巻き込まれるようにして、私も何とか自分の教室へ辿り着いた。

            黒板を見やると、これまた1枚の紙が張りつけられている。

座席表らしい。

出席番号順に決められている。

私の席は窓際の後ろから2番目。

自分の席に移動し、荷物を机の上に置いて座っていると、背中をツンツンとさされた。

            『ねぇねぇ、名前なんてゆーの?』

            驚いて後ろの席を振り向くと、人懐こそうな笑顔を見せる、女の子がいた。

            『私は渡辺比奈子!』

『私は吉田美波』

            比奈子と名乗る女の子は、元気良く自己紹介をしてきた。

それに習い、私も笑顔で自分の名前を言う。

            『美波って呼んでもいー?あっ、私の事はヒナでいいから』

『あ、うん!』

『よろしくね、美波』

            それから担任が教室に入ってくるまでの約20分間。ヒナの明るすぎるぐらいの性格のおかげで、会話に困ることはなかった。

まるでヒナが、ずっと前から友達だったような、そんな感じにさえ思えてきた。

            『美波の隣の人来ないね。入学式からサボりかな』

            担任が出席を取り出した頃、さっきと同じように私の背中をつつきながら小声でヒナが言ってきた。

その言葉にチラと隣を見てみると、確かに1つだけ席が空いている。

            『遅刻とかじゃない?』

『かなぁ?でも仲良くなれそうな子だったらいいよね!』

『だね』

            ヒナと顔を見合わせながらクスクス笑い合う。

高校での初めての友達がヒナでよかったな。

なんて思っているうちに、担任に名前を呼ばれた。

            『吉田美波さん』

『え?あ、はいっ』

            そういえば出席をとっている最中だった…。

            『渡辺比奈子さん』

『はいっ』

            最後のヒナまで名前を呼びおわって担任が出席簿を見なおした。

            『えっと…欠席は村松…ナルミさんだけね』

            そう言って出席簿に何かを書き込みパタンと閉じた。            『じゃ体育館で入学式だから。出席番号順に並んでください』

            クラス全員が廊下に並ぶ。先頭に立っている担任が体育館へと歩きだした。

私たち生徒はゾロゾロとその後を追う。

            体育館へ向かうひんやりとした渡り廊下。

その脇にあるベンチにダルそうに座りながら、私たち新入生を見ている男の子がいた。

綺麗な黒髪が光の加減で茶色に見える。

芸能人かと思うほどのルックスを持つ男の子のその様子はあまりに絵になっていて、しばらく目が離せなかった。


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