国王夫妻へのあいさつ
「失礼いたします。セレン・ミルフォードです。」
「そう、あなたがセレンね。私は王妃であり、シンベルトの母でもある、ミリア・ファミリオンよ。」
王妃様は品定めするような目で見てきた。
「私は、国王であり、シンベルトの父でもある、シルバ・ファミリオンだ。」
国王様はとても以降のある目で見てきた。
「父上、母上、セレンなら気にしないで大丈夫ですよ。メイド長なので、口が堅いことくらい知っているでしょう?」
へ?それはどういう...
「そうねぇ。ちょっと意地悪しちゃった。」
王妃様はテヘッとでも聞こえそうなテンションで言った。
「僕も僕も、いやぁ~、あのシンベルトがお嫁さんを見つけちゃうなんてねぇ~。」
国王様が軽いノリで言った。
「え?え?」
「父上と母上は本当はいつもこのテンションなんだよ。これが知られると、なめられちゃうかもだから気おつけてね。」
そんな重要なこと、私に言わないでくださいよー‼
「わかりました。」
「そうそう、今日は結婚の報告だよね?」
「はい。セレンは私の子を妊娠しておりますので、結婚をしたいと思ってます。」
「シンちゃん...いいお嫁さん、ゲットだね!」
いいんかい!いや普通もっと考えるでしょ?だって、男爵家よ?身分さがありすぎではないですか?てか、シンちゃんって呼ばれているんですね...
「セレンちゃん、あなたたちの結婚が祝福されるように私たちが頑張るから、そんなに心配しなくても大丈夫よ。」
「そうだよ!あんなに読め入らないって言い続けた、シンちゃんが結婚したいっていうんだから僕はいくらでも頑張っちゃうよ!」
「ですが、私は男爵だということを除いても、メイド長という重要な役割を持っているんですよ?そんな他のメイドたちの見本にならなければいけない私が、殿下と結婚だなんて...」
そう言って私はうつむいた。
「そうねぇ、でも、もうわかっているでしょう?あなたは将来王となる子を孕んでしまったの。だから、あなたには選択肢がないのよ。」
「わかってはおります。ですが、本当に私でよかったのかと考えてしまうのです。」
「セレン...大丈夫さ、僕も全力で君を守るし、愛すると誓おう。悪いがもう手放すことはできないんだ。」
「わお!息子のそんな言葉が聞けるなんて!」
「あなた!」
本当に私でよいのだろうか。私はまだ、シンベルト様が好きなのかわからない。
でも、もう後戻りができないことも分かっている。だから...
「私ではお役に立てないことも多いかもしれませんが、よろしくお願いします。」
「ありがとう、せレン!絶対に幸せにしてみせるよ!」
「ふふっ、覚悟が決まったみたいね。これから大変なことが多いかもしれないけれど、頑張ってね。」
「僕もできる限りサポートするからね!」
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」
「よろしくね。セレンちゃん!これからは、私たちのことはお義母様、お義父様でいいわよ。」
「はい!お義母様、お義父様」




