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大変な思いをするセレン

皆さんこんにちは。メイド長のセレン・ミルフォードです。

さぁ、子供が生まれるまで何があったのかを話しましょう。一言でいえば、高位貴族令嬢たちからの暴言の嵐です。

「なぜおまえみたいな下位が第二王子様と...⁉」とか「今すぐ、辞退しなさいそうしなければあなたの家をつぶしますよ?」とかだ。

もちろん嫌がらせもされた。バケツを倒されたり、物を隠されたり、上から物が落ちてきたりなど、本当にいろいろされた。でも第二王子様がすべて解決してくれました。

バケツを倒した人には、自分で掃除させたり、物を隠した人は窃盗事件としてとらえたり、物を落とした人は未来の王妃殺人未遂としてとらえたり、やられたらその分の罪がを償わせたのだ。

さすが、第二王子様ですね。ですが、もっと大きい事件も起きたのです。今日はその話をしたいと思います。

「第二王子様、近いです。まだ仕事中ですので、離れていただけると嬉しいのですが...」

「それは無理だな。ようやく君を父上と母上に合わせることができるんだ。これが現実なのか、君の近くにいることで実感したいんだ。」

そう、今日はこの後、国王夫妻にお会いする予定なのだ。私が結婚を了承したのはつい昨日だというのにだ。

「だとしても、まだ他のメイドたちには知らせていないのですから、ほかのメイドたちが集中できないではないですか。」

「そうだな、一応発表するまでは知られるなと母上にも言われたからな。では、また迎えに来る。」

まったく、第二王子様は困ったお方です。普通、国王夫妻と会えるのはちゃんとした手続きをしないといけないんですよ?それを今日に無理やり押し込んだのです。こんなにも早く国王夫妻にお会いするなんて、緊張しない方がおかしいですよ。なんて考えながら掃除をしていると、ローザがニヤニヤしながら近づいてきた。

「メイド長~、聞きました?シンベルト様の想い人が今、王宮にいるらしいですよぉ~。」

ギクッ

「い、いったい誰から聞いたのそんなこと。」

「シンベルト様が言いまわってましたよぉ~ざんねんでしたねぇ、メ、イ、ド、ちょ、う」

そういってローザは去っていった。

・・・

なにしてくれてるんですかーー!あの人は⁉国王夫妻から知られるなと言われてるんですよね⁉

名前出してないからいいだろうとか考えてないですよね⁉本当に何をしているんですかぁ~!


掃除を終わらせてから自分の部屋に戻ると、ひとつの箱が置かれていた。その箱の上には、

ーこれを着てくるように。ー

と書かれた紙が置いてあった。第二王子様ですね。なぜ私の服のサイズを知っているんですか?

とりあえず箱を開けてみると、そこには水色のとてもきれいなドレスが入っていました。

私には似合わないと思うんですけど?

コンコンッ

「どうぞ」

「やぁ、セレン。プレゼントはどうだい?気にいったかい?」

「第二王子様.....何をしているんですか⁉想い人が来たなんてことを言いふらして!国王夫妻に知られないよう言われたんですよね!?」

「だって、君が私と結婚してくれるっていうのがとてもうれしくてな。」

うっ、それを言われるとなんも言えなくなってしまう。

「そんなことより、何の用ですか?」

「君を迎えに来たんだよ。ゆっくり話しながら父上たちのところへ行こうと思ってね。」

「わかりました。部屋を出てお待ちください。」

着替えたのはいいものの、やっぱり似合わないんじゃ?

「セレン、開けてもいいかい?」

「はい。」

ガチャッ

「っ!とてもきれいだよ、セレン。」

「そうですか?ちょっとドレスがきれいすぎると思うんですど...」

「そんなことないさ。とてもきれいだよ。セレン」

「ありがとうございます。第二王子様。」

「シンベルトでいいさ。これから夫婦になるのにその呼び方はおかしいだろ?」

「わかりました。シンベルト様。」

それから、シンベルト様がエスコートしてくださりながら、国王夫妻のところへ向かった。

コンコンッ

「父上、母上。連れてまいりました。」

「入って。」

「失礼します。」

ガチャッ

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