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11話

読んでいただきありがとうございました。

「でましたーー!!!紅林選手、パンチの風圧で全ての大砲の弾を消し飛ばしたーー!!!凄まじい威力だーーーーーーー!!!!!!!」


「なんだと…吾輩の…大砲と……」


「はぁ、はぁ、ど、どうなったのでしょうか」


本当は弾一つ一つに走っていって粉砕し、そのままボルガさんを殴ろうと思っていたが、パンチの威力が想定より強すぎて足が動かなかった。なんなら一発しか殴れてないし、ボルガさんは風圧でか砂埃がすごくてどうなっているかよく見えない。


「…腕が…」


砂埃が消え、ボルガさんの様子が見えた


「なんということだーー!!あの屈強なボルガ選手の左腕が!消し飛んでいるーー!!!先のパンチが、数十メートルは離れているボルガ選手の腕を貫いたのかーーー!!!!!!」


「「「「「「おおおおおおおおお!!!!!!!!!」」」」」」


「ひえっ…」


「クソッ、血が止まらねぇ…ここまでか…」


ボルガさんの腕は治してもらえるが、場所がずれてたら殺してたと思うと肝が冷えた。あやうくみんなを犯罪者の仲間にするところだった。


「砲煙のボルガ選手の降参が確認されました!勝者、鬼神紅林選手ーーー!!!!!!!!」


「「「「「わぁぁぁぁーーーー!!!!!!!」」」」」


「やったな紅林ー!」


「…はい、天祢さん!やりましたよー!」


なんとか一回戦目は勝てたが、正直すなおに喜べない。治る前提とはいえ極悪人でもない人の腕を吹き飛ばすだなんて。しかも魔力を大部分使ってしまった。次の勝負はよほどでなければ勝てないだろう。対戦相手は誰だろうか。


「そして!隣で行われた一回戦の勝者は、奏選手ーーー!!!」


「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」」」」」」


「く、そ…俺様の翼が……」


「対戦ありがとうございました。投獄のムネニクさん」


「の…以外…ちげぇよ……くそが…ぐへ」


奏さんが圧勝したようだ。ということは次の対戦相手は奏さんとなるだろう。選手紹介で剣聖とかいってたし非常によくないな…ていうか翼きられてるみたいだ。私が山の中の村で外の世界をあんまり見てないから感覚が違うのかな?…そういえば次の二回戦目は天祢さんと枝葉さんが戦うんだった!はやく席につかないと!




「それでは第二回戦の選手を紹介します!

亜人族出身、なんとなにも情報が…おっと、ただいま北方地方出身という報告が入りました!!がそれしかありません!盃天祢ぇぇーー!!!!!」


「「「「うぉぉぉーーー!!!!」」」」


「俺北方地方出身だったのーー!!??!!!?!」


「本人も知らなかったようだーーー!!!!」


なんという衝撃的事実、こんなところで出身がわかるなんて。ということは、やはり俺の体は俺になる前からこの世界を生きてたってことだろうか。色々考えたいこともあるが、とりあえず今は…


「対戦相手は、山間部の精霊集落イワノ村の創設者、音張枝葉ぁぁぁーーー!!!!!」


「「「「うぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!!」」」」


戦いに集中だ!…と思ったのにまたもや衝撃的事実。枝葉は村の創設者だった!これは俺の思考力を低下させるための罠かもしれない。


「まったく、どこで調べたんだろ。腕利きの情報屋がいるね。」


「もう一方のチームも紹介します!

魚人族出身、淵帝軍期待のルーキー、メルタぁぁぁーーー!!!そして対戦相手は獣人族出身、傭兵ギルド白亜の頼れる前衛、クラジックーーー!!!!!!」


「「「「「うぉぉぉぉーーー!!!!!!!」」」」」


さて、非常にまずいことがある。枝葉に勝てるビジョンが全くない上に、回復してもらえるとはいえ友達に殴りかかるようなことをしたくない。


「大丈夫だよ天祢。さっきの人の腕元通りになってるのを見たからね」


「まじで!?」


「それに腕試しくらいの感覚できていいよ。私は道具がないと本気を出せないタイプだからね。」


なるほど、確かに今の枝葉はあの時の刀を持っていない。それに攻撃的な魔法を見たことがないので、ワンチャンあるかもしれない。


「第二回戦、スターーート!!!」


「いくぞ枝葉」


「おいで天祢」


よく考えたら俺の攻撃が効くわけもないや。本気でいこう。


「進化した俺の技を見ろ!大危険デンジャラス鎖グルグル!」


「プッ」


「天祢選手、初手からかましていくーー!!!が、名前があまりにもダサいーーーー!!!!!」


大音量で侮辱された気がするが問題ない。地面に手をつけ、魔力を枝葉の足元に飛ばすイメージ。さらにその魔力を鎖に変える。


「天祢選手が地面に手をついた瞬間、枝葉選手の足元から大量の鎖が出たーー!!なんだこの魔法はーー!!!さらに鎖が枝葉選手に襲いかかる!!!鎖の擦れる音がうるさいーー!」


大危険デンジャラス鎖グルグルは相手を包み込んで鎖を高速で動かし、熱を籠らせる。そして蒸し焼きにする技だ。相手は死ぬ。…だが相手は枝葉、ここからどうくるか…


スパン


「えっ」


「やるね天祢。初手から確殺技とは」


「枝葉選手、刀で鎖を微塵切りだーーー!!!先まで丸腰だったはずなのに、どこから刀を出したのかーー!!!!しかも無傷!!」


「本当にどこから出したんだよ!!!」


「私の魔法だよ」


「くそっ…まだまだ!一直線鎖!」


「フッ」


「天祢選手新たな技を出したーー!!!!!すごい魔法だがネーミングセンスが終わっているーーーー!!!!」


手を前にかざし、込めた魔力を鎖にして高速で射出する。


「とんでもない速度で鎖が飛んでいくーー!!!」


キャン


「枝葉選手、音速を超えていそうな鎖をいなしたーーーーーー!!!!!」


「まだだ!」


出した鎖を掴み、いなされた鎖を自分を軸に回転させて枝葉に叩きつける。


スパン


「天祢選手鎖を叩きつけるも、枝葉選手にバラバラにされてしまうーーー!!!」


「ここからどうする?」


「まだだ!」


バラバラになった鎖には多めに魔力を込めておいた。そしてそれを媒体にして一直線鎖を散り散りになった鎖から放つ。


「なんと砕かれた鎖からさらに放たれた鎖が一斉に枝葉選手を襲うーーー!!!!」


「触れないで魔法を使えるようになるとは…さすがだね」


「褒めながら全部捌きやがって。くそっ次だ!」


「なんという戦いでしょう!天祢選手の魔力の底が見えません!ただ枝葉選手は剣一本で渡り合っているーーー!!!」


「「「「「うぉぉぉーーー!!!」」」」」

「どっちも有名な傭兵の人かな?」

「天祢って人、枝葉って人に遊ばれてね?」

「でもあの魔法も魔力もやばくね!?」

「あの枝葉って人の刀…」


「天祢、私も少し本気を出してみるから」


「えっ」


「身体強化、+剛刃」


「…!超高密度鉄人変換!!」


絶対切られると思ったので全身を鎖でおおい防御に徹する。防御面の実力も確認しておきたいのだろうか。


「こい!」


「真空一閃」


まずいまずいまずいまずいま


「耐えてね」


バキ


技名を言った瞬間目の前にいた枝葉に囁かれ、腕にかなりの魔力を込めて頭の上でクロスにしたが、普通に腕が折れ、頭が地面にぶつかった。


「なんと枝葉選手、一瞬で決めたぁぁぁーーー!!!!!今の上段の構えは剣聖流の使い手かぁぁーー!!!!」


「ま、まだ…まだやれるんだ…」


「よく耐えたね天祢。でもだめだよ。私が痛みを消す魔法を切る瞬間にかけてなかったら痛かったよ」


痛かったよじゃないんだよ。腕の関節が増えたよ。


「降参します…うぅ」


「勝者、音張枝葉選手ーーーーー!!!!!」


「「「「「うぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!」」」」」

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