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17話 強くなるために

「しばらく休暇が欲しい」


 王都に帰宅直後、ブルーノさんが休暇の申請を申し出た。トルムルさんの元で、トモエさんの武具を作るためだろう。

 もちろんOKだ。

「どのくらいの期間が必要ですか?」

「そうだのぅ……ヒヒイロカネの加工は初めてだからな。一月は見ておいてくれ」

「わかりました。でも無理しないでくださいね」

「がはは、心配ないわい。久しぶりに燃える仕事ができそうじゃ」


 ブルーノさんの表情には、久しぶりに見る職人の輝きがあった。


 ちなみに、折れたバスターソードを返しに謝りに行った際、結局怒られはしなかった。しかし妙なライバル意識を持たれたようだ。次は僕の結界を両断出来る剣を作ると燃えていた。



〜〜〜〜〜



 僕達は老猫亭の食堂で“闇鍋(シークレット・ポット)”メンバーと昼食をとっていた。ブルーノさんはトルムルさんの工房で、泊まり込みで武具作成に取り掛かっている。


「今回の遠征で僕は自分の足りないものに気付きました」


「なんだ?」


「呪文の詠唱です。詠唱中、敵は待ってくれませんからね。いつもは皆さんがいるから時間を稼げますが、今回の様に仲間が少ない状況に陥った時、僕は役に立てません…」


 今回の遠征で一番痛感したのはこれだった。高位の神聖術が使えても、詠唱時間中に殺されては意味がない。

 特にジェイドさんとの一戦では、魔力切れという致命的な弱点も露呈した。


「そ、そんな事ないよ!私、アルフさんにずっと助けられてたよ!」


「トモエの言う通りだ。それに呪文の詠唱は精霊魔術師も神聖術師も避けようがないぞ?短くすればそれだけ魔法の威力は落ちる」


「そうです。ドラゴンも途中から僕の方を狙ってきてました。エルノールさんも知ってると思いますが、どんなに強い魔法が使えても詠唱出来ないと意味はありません。今回は都合良く助っ人が来てくれましたが、普通ならそのまま殺されていたでしょう。そして、ジェイドさんの時も、もし彼が敵だったら殺されていました」


「そ、そんなの相手はSランクの化け物……相手が悪かっただけにゃ」


「僕達はAランクのパーティです。Sランクに上がるには、これからそういう化け物を相手にしないといけない。どうにかしてレベルアップしないと、僕達はいずれ死ぬ事になります」


「でも言ったら悪いが、これ以上どうレベルを上げるんだ?特にアルフは神聖術師として完成されている。魔力の総量なんて簡単には上がらないぞ?」


「それに関しては幾つか考えがあります。まず1つは新しく杖を入手すること。以前持っていたのはドラゴンの炎で焼かれましたし……」


 杖には魔法力増幅効果というのがある。その名の通り魔法の効果を高くしてくれるというものだ。もちろん物によって効果に差は出るが。つまりより良い杖を持っていれば、詠唱を短くしても十分な効果の魔法を放てる。

 もちろん良い杖というのは、買おうと思ったら莫大なお金がかかるけど。


「もう一つは速詠を覚えるですかね。魔力向上訓練の合間に練習しようと思います」


 速詠は簡単に言えば早口で呪文を唱えること。呪文を省略しないから魔法の効果は弱まらない。ただし、正確に唱えないと魔法の効果を弱めたり、魔法そのものが発動しない結果となる。


「速詠か……今まで試した事はないが、私も練習してみるか」


「アタシも修行してみようと思う。能力さえあればちゃんとSランクの魔獣でも従魔に出来ると証明された。その為には私自身が強くならないとな。トモエ、付き合ってくれるか?」


「もちろん!あ、それの合間でいいんだけど、私もその魔力向上訓練っていうのを受けてみたいな……」


 トモエさんはどうしても魔法を使ってみたいようだ。

 トモエさんが訓練した所で、魔法を使えるほどの魔力が手に入るわけではないが、それで修行のモチベーションが上がるのなら拒否する必要はない。


「構いませんよ。ではその訓練はエルノールさんと3人でしますか」


「ああ」「うん!」


「うちももっと弓の精度を上げないと……忙しくなるけどエルノール、また教えて貰いたいにゃ」


「構わないが、私はそこまで弓は上手くないからな。あくまで魔法の補助として身につけただけで……妻に聞いてみるか」


 エルノールさんの奥さんは元弓士(アーチャー)らしい。エルノールさんも奥さんから弓を習ったそうだ。しかし美人な森人族(エルフ)による指導か……

「奥さんに教えてもらえるなら心強いですね」

「ああ、彼女は元Cランクの弓士だったからな。教え方も上手いと思う」


 そんな美人で実力のある奥さんがいるなんて、エルノールさんが羨ましい。


「僕も弓を習った方がいいでしょうか?」

 僕がボソっと呟くと、トモエさんが即座に却下する。

「アルフさんは習わなくていいと思う!」


「リーダー……真面目な話をしてる時に……」

 シャルルさんも呆れているな。

「どうしても習いたいなら“一角獣(ユニコーン)”の弓士から教わればいいんじゃないか?」

 こ、この森人族(エルフ)……僕とリーシャさんに確執があるのを知ってて言ってやがる。そんなに奥さんと合わせたくないか!


「そ、それはともかくとして、提案なのですがメンバーを増やしませんか?」


「お前が増やしたいメンバーってどんなのだ?」

 リリスさんが聞いてくる。


錬金術師(アルケミスト)です」


「どうして錬金術師なの?」


「ドラゴンと対峙した時、回復と防御を同時に迫られた場面がありました。その時は回復を最低限にして後は結界で凌いでいましたが、それも壊される始末……流石の僕も治癒と結界を同時には使えませんからね」


 しかも僕がいるせいで普段から回復アイテムは最低限しか所持しておらず、あの時の僕とトモエさんは持ってすらいなかった。

 今思えば、あの時にポーションがあれば僕の負担はもっと軽くなっていただろう。神聖術師一人では限界がある。特に長期戦になった場合、回復手段は多い方がいい。


「いいかもしれないな。それに優秀な錬金術師はゴーレムも作れるらしい。攻撃に使えるし盾にもなる」


「アタシも構わない。それで、あてはあるのか?錬金術師の冒険者は数が少ないって聞くぞ?」


「いえ、それは今から探します。フリーの方がいればいいんですけど……とりあえずギルドに聞いてみて、後は冒険者以外からの勧誘になりますかね」


「色々大変そうだにゃ……うちも探すの手伝うにゃ」


「わ、私も修行の合間に付き合うよ!」


「ありがとうございます」


「…………」

 エルノールさんが訝しげな目で見て来る。


「エルノールさん、どうしました?」


「いや、ちなみにどんな錬金術師を探そうとしてるのか気になって」


「もちろん、今“闇鍋(うち)”にいない異種族の錬金術師です!」

 それが“闇鍋”のコンセプトだからね!


「「普通に探せ!」」「普通に探して!」「普通に探すにゃ!」


 みんなから突っ込まれた。



〜〜〜〜〜



 昼食の後、僕はさっそく杖を買うために魔法道具販売店に行く事にした。エルノールさんも誘うと快く着いてきてくれた。やはり精霊魔術師(マギ)もその手の店は興味津々だ。


「さすが王都だな……色々な店がある……」


「人の数も凄いですよね。ヒルランテも都会だと思ってましたがそれ以上です」


 そういえば王都に拠点を移してからこうやってゆっくり見て回るなんて出来なかったな。

 できれば綺麗な女性と歩きたい所だが、たまにはこういうのも悪くない。


 すると後ろから、「危ない!」と声が。


 後ろで子どもが転けたみたいだ。

 バリーン

 ビシャッ

 その子どもは転けた拍子に手に持っていた瓶を落とす。地面に落ちた瓶は盛大に割れ、中身が僕の足にかかった。


「だ、大丈夫ですか?」

 と声をかけると、

「あわわわわ、すみません!怪我はないですか?」

 子どもと思ったけど小人族(ハーフリング)の女性だ。


「僕は大丈夫ですよ。瓶の破片も当たらなかったですし、中身が少し足にかかっただけです」


 その言葉に彼女は青ざめる。

「か、かがったんですか?わだしの薬液が?」


「ほんの少しですよ。ところで瓶の中身はなんだったんですか?」


「……に、肉が溶ける薬液です」


 ズボンの裾をめくると、ほんの少しかかっただけなのにズボンに染み込んだ薬液は、僕の足を骨が見えるほどみるみる溶かしている。

 視覚情報で確認した事で、今更ながら痛みを感じてきた。


「足が〜!僕の足が〜!」


「ごめんなさい!ごめんなさい!今、回復薬を……」


 女性はすぐ近くにあった薬屋に入り回復薬を探す。奥から「すみません店長!回復薬を下さい」と聞こえる。どうやら知り合いの店のようだ。

 でもガッシャン、ガッシャン聞こえるけど大丈夫だろうか?

 別の人の声で「おいジル、何やってんだ!やめろっ!」って聞こえるからきっと大丈夫じゃないのだろう。

 音が止むと女性が瓶を抱えて出て来た。


「ありました〜、わだしが作ったポーションですぅ!この薬があれば治るはずで……あっ」


 女性は何もないところで盛大に転けた。手に持っていた瓶は放り投げられ、僕の顔面にぶつかり割れる。うん、確かに中身は回復薬だ。たちまち怪我は治ったよ。瓶がぶつかった時に出来た顔面の怪我がね。


「あわわわわ、すみません!すみません!わだし、ほんにドジで……どうしたらいいべなぁ……」


「…………もう自分で治した方が早いんじゃないか?」


「…………そうですね」

 エルノールさんの提案通り自分で治す事にした。


「ホーリーライトヒーリング!」

 うん、これで元通り!


「す、凄い!あの怪我が治癒魔法で治るなんて……」

 と女性が驚いているとさっきの薬屋から只人族の男が出て来た。


「ジル!テメェなんて事してくれたんだ!店めちゃくちゃにしやがって……………」


「て、店長!すみません!すみません!」


 店長と呼ばれた人は落ちている割れた瓶とその飛び出た薬液とかかった僕の足を見る。そして事態を察したのか青ざめる。


「おまおまお前、もももしかしてあの肉が溶ける薬をこの方にかけたのか?」


「すみませんっ!でも無事治りましたので!」


「お前はだまってろ!本当にお怪我はありませんか?この馬鹿がご迷惑をおかけしました!」

 店長さんも相当困っている様子だ。きっと日常茶飯事なのだろう。


「いえいえ、この通り怪我は無事治りましたので、では僕達は急ぐのでこれで」


 これ以上は関わるまい。お互いのためにその方がいいだろう。


「ジルてめぇ、妙な薬を作ったと思ったら通行人にかけやがって!うちの店潰す気か!?しかも回復薬を取り出すだけで、なんで店の中ぐちゃぐちゃになるんだよ」

「すみません!すみません!」

「お前はクビだ!」

「そ、そんな!どうかご慈悲を……」

 遠くで聞こえるが関わらないでおこう。



〜〜〜〜〜



 魔法道具の店を見つけた。パレーエフの魔法商店か……なかなか趣きのある店だ。


「いらっしゃい」


 カウンターには老婆が座っている。


 流石王都の魔法道具店だ。品揃えはいいな、魔具に聖具も置いている。流石に呪具は置いてないか。


「何をお探しだい?」


「杖を探してまして」


「あんたら冒険者かい?精霊魔術師(マギ)神聖術師(ヒーラー)ってとこか……ランクは?」


「ええそうです。2人ともAランクです」


「ほお、高ランクじゃないか。じゃあ良い杖を紹介しないとねぇ。ひっひっひっ」


 なんかぼったくられそうな雰囲気だな。外れの店かな?


「これなんてどうだい?トレントの枝から作った杖さね、拳大の魔石を嵌め込んでる。魔法力増幅効果は大といったところか、後はナギの木の杖、魔石は同じく拳大で効果は大」


 魔石は魔力を秘めた石のこと。魔獣の体内から採取される。あとは龍脈の近くで発掘するか、ダンジョンでドロップするか。大きい物ほど多くの魔力を秘めており、魔法力増幅効果は高まるといわれている。

 魔法力増幅効果大ということは杖なしと比べると魔法の効果は6〜10倍といったところか。


「値段は?」


「そうさねぇ、トレントの杖は大金貨9枚と金貨90枚、ナギの杖は大金貨9枚と金貨20枚といったところかね」


 大銀貨1枚で4人家族の1ヶ月分の生活費くらい。この杖はそれぞれ大銀貨9900枚に9200枚分だ。名のある名工の武具だと大金貨数枚は必要になる。この杖は少し高く感じるが効果を考えると……


 ドラゴンのお宝を持ち帰り、僕達は白金貨10枚分の収入を得た。1人頭白金貨1枚と大金貨6枚の取り分だ。端数はパーティの共有資金とした。

 王都に来るまでに貯めたお金は大金貨2枚、僕の財産は総額約白金貨1枚と大金貨8枚になる。

 少しはお金に余裕があるとはいえ、杖だけで半分以上取られるのは厳しいな。

 他の装備品やアイテムも必要だし、教会へのお布施や孤児院への寄付、それに生活費のこともある。それに娼館にも出かけたい。


 僕は独り身だけどエルノールさんは妻帯者だ。お金に関しては僕よりシビアだろう。


「エルノールさんどうしますか?魔法力増幅効果大は魅力的ですが、正直予算ギリギリです」


「私もだ……妻との生活もあるしな」

 やはり家庭を持つと出費が違うのだろう。

 僕らは老婆に聞こえないよう、小声で話す。とりあえず中くらいの効果の杖を探すか。


「あ、あの…もう少し安めの杖も見せてもらっていいですか?」


 とりあえずナギとトレントの杖はキープで。


「なんだい、Aランクのくせに文無しかい」


「はは、実は僕達Aランクになったばかりでして…借金もありましたし」


「杖をみしてみな」


 エルノールさんは老婆に杖を渡す。


「ずいぶん安物の杖を使ってたんだね。よくこれでAランクまで上がったもんだ」


 今エルノールさんが持っている杖は、魔法増幅効果小の杖だ。僕が持っていたのも似たような効果の杖だった。


「じゃあこれはどうだい?カメリアの木、魔石は卵大の大きさで魔法力増幅効果は中、値段は金貨52枚。後はサクラの木、魔石は同じく卵大で効果は中、値段は金貨55枚」


「試してみても?」


「構わんよ」


 エルノールさんはカメリアの杖を、軽く魔法を使ってみる。


「フレイム」

 エルノールさんはほぼ詠唱せず呪文を唱える。普段なら蝋燭の火程度だが拳大ほどの炎が出てきた。


 僕はサクラの杖が気になりそっちを手に取った。


「ブラッシング」

 僕も自分に筋力強化の魔法をかける。以前より力が大幅に強化されているのが分かる。


「うぅ、この杖でも効果は十分高いけど……」

 僕達は最初に紹介された杖を未練がましくチラ見する。


「あーあ、こっちの杖はもっと凄いのにのぅ、やっぱりAランクの冒険者ならこのくらいの杖を持たないと……そういえば前にこの杖買った冒険者は購入後に急にモテだしたなぁ」


 その言葉が後押しとなり、

「決めました!やっぱり僕はこれにします!」


 僕はナギの杖を手にする。別にモテるためじゃないよ?やっぱり強くなるためには少しでも効果の高い物を手にしないとね。


「本当にモテるようになったんですか?」

「さあねぇ、でも自信がついたのは確かみたいだったよ。ひっひっひ」

 完全に商売トークだったようだが、もう遅い。


「奮発したなアルフ……私は……」

 僕がナギの杖を選んだのでエルノールさんも我慢出来なかったようだ。結局トレントの杖を選び、それぞれお金を払う。


「ひっひっひ、毎度あり。ところでこの杖はどうする?うちの店は買い取りもしているぞ?」


「せっかくだから売るか。特に思い入れないし」


「買い取り価格は大銀貨1枚だがいいかい?」


「やっぱり安いな……買った時は大銀貨6枚だったんだが……」


「ひっひっひ、うちも商売だからねぇ」


「エルノールさん、それだったらトモエさんに、あげたらどうですか?魔法の練習したいと言っていましたし」

「それもそうだな。すまない店主、これはやはり売れない」

「おや、仲間想いじゃないか。ひっひっひ、いいパーティだねぇ」

 老婆が感心したように言う。


「トモエさん、喜びますよ。魔法への憧れが強いですからね」

「ああ、彼女の笑顔が見られるなら安いものだ」


 僕達は買い物を終えると店を後にした。

 神聖術師でも精霊魔術師でも新しい杖を手に入れるのは嬉しいものだ。僕達はニヤけ顔で宿に戻った。


「これでドラゴン戦の時みたいに魔力切れで困ることも減るでしょうね」

「ああ、心強い限りだ。今度は存分に魔法が使える」


 高い買い物だったが、それだけの価値はあるはずだ。

 しかし……ふふふふふ、ついに買っちゃったよ。やっぱり新しい杖は良いな。しかも前の杖より遥かに性能アップ。


「アルフ、顔が緩んでいるぞ」

「そういうエルノールさんこそ」

 神聖術師でも精霊魔術師でも新しい杖を手に入れるのは嬉しいものだ。僕達はニヤけ顔で宿に戻った。

〈魔法力増幅効果〕

小…杖を持たない状態の1.1〜2倍

中…杖を持たない状態の3〜5倍

大…杖を持たない状態の6〜10倍



〈ランブルグ貨幣〉

銭貨

銅貨…銭貨10枚分

大銅貨…銅貨100枚分

銀貨…大銅貨10枚分

   1枚で一般的な4人家族が1ヶ月ほど暮らせる

大銀貨…銀貨100枚分

金貨…大銀貨10枚分

大金貨…金貨100枚分

白金貨…大金貨10枚分

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