表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/52

ひもの街5

オイラは地面に叩きつけられた。

 下はクッションになっているが、それでも内部を叩かれるような衝撃。いや、クッションだからだろうか?

 悶絶して動けない。皮膚とかの痛みがない代わりに、内蔵が痛くて息できない。青ざめて横たえるオイラは足が空を走る。

 でも、どうしてこうなった?オイラはジャンプしただけなのに……

「あっと。ジャンプしたらダメですよ」

「凄い音したけど、ジャンプした結果、ああなったのですか?」

「この街ではジャンプというか、一瞬でも宙に浮いたらひもに引っ張られてしまうのです。だから、ああいうふうに叩きつけられることもあります。だから、そうならないように滑るように歩くことを心がけてください」

ジャンプなどで宙に浮くことはできない。そういうことは先に言って欲しかった。

それにしても、ロプが滑るように歩いていた理由があるとは……やはりカラクリがわかったら奇妙さがないものだと安堵する。

シューは軽くジャンプして確認している。ジャンプする事にひもが引っ張っているようだ。しかし、小ジャンプすぎて被害がない。

オイラは口惜しい。オイラと同じ痛い目に遭えよ! そう歯ぎしりを鳴らすが、不機嫌な犬が唸っているだけに見えるようだ。

「ジャンプできないのですが、これも仕様ですか?」

「そうです。だって、危ないでしょ?」

「そこまで危なくないと思いますが……というか、逆に危なくないですか? ほら、うちの犬みたいに」

「すぐにわかりますよ」

 ロプはオイラの痛みに無関心だった。人は他人の痛みに鈍感だと聞いたことがあるが、なるほどこういうことか。勝手に納得したオイラ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ