【創作BL】140字創作小説 2作 『嫉妬』『待ち合わせ』
『嫉妬』
教室の斜め後ろから君の顔を見る。
髪と、耳と、見えそうで見えない顔に、ふっくらした頬。僕は、この光景をただ一人だけで見ていたいと思った。
しかし、この教室には他にも沢山の生徒が居る。僕は彼を観る特権を、自分だけの物にしたいと、空間に対して少し嫉妬した。
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『待ち合わせ』
家を出て、学校へと向かう。
雨があがり通学路の途中にある葉に輝いた露が乗っている。僕はそれを眩しく美しいと思いながら、早歩きで周りを見渡す。
休みの間はずっと家の中に居たから、久々の外の光景に新鮮さを感じる。
鮮明な色彩。晴れ渡った空。
ふと見ると、僕の好きな人が立っていた。