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約束?

 この日、俺はギルバート15世から呼び出され、臨時宮所を訪れていた。



「君は優秀なリーダーだ…! 新人なのに師団長なんかにという声もあったみたいだが、本当によくやってくれている! ひとえに君の努力の賜物だと思う」




「有り難きお言葉でございます!」




 俺は自分で言うのもなんだが、恭しく一礼した。地位が人を作るとは言うけれど、様になってきたんじゃないか?



「ニエベスの騎士達は疲弊している。ここはひとつ、ニエベスの領土を奪取しにかかってはどうか? 防戦一方なのではなく、攻勢に転じてみては、ということだ」



「皇上。そのお考えは得策ではないように思われます」



 す、すげえ。俺、やればできるじゃん。皇帝に意見しちゃったよ。最初はビクビクしていたのに、凄い成長だ。



「そ、そうか。師団長が言うのなら間違いない。その通りにしよう」




 俺は意見を押し通した。凄い。でも、それはそうだ。今は防御に徹しているからうまくいっているという部分もある。よしよし。このままでいい。


 久しぶりに、屋敷に帰ることにした。戦闘続きで帰れてなかったし、ニエベスによる攻撃はギルバート帝国国内の誰もが知っていることだったので、色々話をしたいと思ったのだ。



「ただいま、帰りました!」



 家族はみんな喜んで出迎えてくれた。ミョージャは相変わらず不機嫌な顔つきで、俺の右肩ばかりに注目していた。ったく、大丈夫だって。



「お腹は空いた?」



「ハラペコです」



「はらぺこ? うふふ、何それ、おかしいわ。でもそういう言葉があるのね。わかったわ」



 そう言ってソーナは俺に目配せした。そうか。ソーナもミョージャも、「異世界転生」の事情を既に知っているのか。知らないのはアロンゾだけだけど、いつの日か俺が話してやるとしよう。



「兄ちゃん! そんなことより剣術教えてよ!」



「アロンゾ。お前、来年受験だもんな」



 アロンゾは頷いた。早いものだ。正確に数えていないけれど、俺がこの世界にきて数年はもう経ったことだろう。そりゃあアロンゾも成長するわ。



「こらアロンゾ! パオロは疲れているんだから」



「大丈夫ですよね、洋平さん! 私が『覚醒治癒能力』で元気いっぱいにして差し上げます!」



「ありがとう、ミョージャ」



「ミョージャ、ヨウへーって何?」



「あっ」




 ミョージャはしまったという顔をして俺を見た。そしてくすくすと笑う。こんな時間がいつまでも続けばいいのに。俺は誰とも、特にミョージャと、ずっと一緒にいたい。



「いつまででも一緒ですからね、洋平さん!」



 思わずドキッとした。

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