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異世界転生の秘密

 結局、俺は万全な状態で屋敷に戻ることができず、包帯だらけのまま、バレンシア家に帰ることになってしまった。俺の有様を見て、ソーナ達は最初悲鳴を上げたが、俺が「決闘」のせいで怪我したとなると、俺を白い目で見るようになった。

 俺は罪悪感で胸がいっぱいだった。ソーナ達はひとつも間違っていない。悪いのはすべて俺だ。本来であればとっくに騎士の家ではなくなっているはずが、せっかく皇帝のおかげで騎士になることができ、さらには近衛師団長にまで抜擢してもらったのに、こんな形で皇帝の期待を裏切るなんて、恩知らずもいいところだ。

 だから、俺は責められるだけ責められるべきだと思った。しっかりと反省しなければいけないということは、間違いないのだ。


「責任感がなさすぎるわよ。バレンシア家当主として、近衛師団長としての自覚はないの?」




「兄ちゃん、かっこ悪い!」



 散々な言われようだ。ただ、そんな中でもミョージャだけは俺に優しくしてくれた。ミョージャの持っている「覚醒治癒能力」で俺の怪我はすぐ治ったし、ソーナやアロンゾが呆れるほど、俺につきっきりで相手をしてくれた。

 ある時、怪我も治ったのでアロンゾに剣術を教えようとすると、ミョージャが俺を部屋から出してくれなかった。



「ははは、もう大丈夫だって、ミョージャ!」



「安静になさってください! 私とパオロ様は、これからずっと一緒です!」



「いや、俺どっちにしろもうすぐ宿舎帰らないといけないし」



「パオロ様〜ッ!」



 ミョージャはまるで駄々っ子のようだった。よく見ると、眼から涙が溢れている。そんなにか?



「パオロ様…! もういいじゃないですかッ!」



 そう言うと、ダムが決壊したかのように、ミョージャは声を出して泣き始めた。



「いったいどうしたんだよ?」



「パオロ様のお父様、長谷川和雄さんの遺された手記を読みました」




「え…」



「私にはげえむとか、あにめだとか、設定だとか、難しいことはわかりませんでも、パオロ様がここまで命懸けになる理由ってなんなんですか!? もう、2人で幸せに暮らしましょう…!」



「ミョージャ」



 いつかは、いつかはこんな日がくる気がしていた。ただ、本当に実現するとなると、なかなか実感が湧かなかった。




「だから近衛師団長なんかやめて、私といつまでも一緒にいましょ、パオロ様。いや、洋平さん」




 体がじんとした。俺はすべてを、すべてをミョージャに打ち明ける覚悟を決めた。




「俺はね、異世界転生の身なんだよ」




「はい、わかります。読みましたから」




 俺はミョージャに対して、説明を始めた。

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